天草エアラインが保有する1機だけのATR42-600型機。
プロペラ機ですが、最新鋭の設計のため意外と快適です。
そんな訳で今回は、天草エアラインのATR42-600型機のシート特集です!!
天草エアラインのATR42-600型機。同社の保有機はこの1機だけ。先代のDHC-8-Q100型機の後継として2016年に導入。メーカーはヨーロッパのATR社。最新技術が導入された設計は、操縦面だけでなく機内の快適さの面も従来機から改善されています。天草名物のイルカのデザインが可愛い...
スポンサーリンク
目次
座席表
全席普通席の48席仕様。2-2配置。
最前方には珍しいお見合い席が存在します。
天草エアラインのATR42-600の座席表(引用:天草エアライン HP)。全席普通席の48席仕様。飛行機では珍しく、最前部はお見合い席が設定されています。搭乗・降機は最後部ドアを使用するため、早く乗り降りしたい場合は後部座席がおすすめ。
JACでも同型機を保有していますが、座席数・配置は同様です。
普通席のみのモノクラス
全席普通席のモノクラス。プロペラ機では一般的な設定。
普通席
機内の全員がお世話になる普通席。
機体はコンパクトですが、座席足元広さは他機種と同等です。
革製の赤色生地が目を引く座席。緑のシートベルト。白のヘッドレスト。どこかサンタクロースを彷彿とさせる配色。座席メーカーはイタリアのGeven社。
全体的に薄めの背もたれ。革素材のためか、着席時に若干滑りやすかったです。窓は約1.5個分。ひじ掛けが細く、隣人とのバトルが勃発しかねません。
シートポケットは上部と下部の2箇所。最近主流の個人モニター・個人電源は未装備。飛行時間の短い路線が多いため必要ありませんね。
一般的な広さの足元
足元広さは他機種と同様の広さ。
プロペラ機 = 狭いイメージがありますが、ATRではそんな体験をすることはないと思われます。
着席時の足元広さ(身長170cm後半)。他ライバル機種と同等の広さ。「プロペラ機だから狭い」といったイメージはここでは通用しません。ジェット機と同等の広さです。
握り拳1個分の他社の大中小型ジェット機と同様の広さ。窮屈に感じることは皆無。
座り心地レビュー
握り拳1個分の足元広さ。座席幅・座面はやや狭め。ホールド感低め。革生地。頭部はフラットで反発系。背もたれは板な感じで滑りやすい。ひじ掛け細めではみ出る。
座席の柔らかさ
★★☆☆☆
参考に、同じくATRシリーズの機体を運用するバンコクエアウェイズとの比較。座席の生地色が異なるだけで、基本的な設計・骨格・デザインは同様です。座り心地に差異はありません。画像ありませんが、JACのATRの座席も同じデザインです。
Goodポイント
壁の下部の出っ張りが他機種よりも控えめ。
機体設計上、リージョナルジェット・プロペラ機は壁下部に出っ張りが設けられています。
今回のATRはライバル機と比較して足の自由度が高く快適です。
壁の出っ張りが控えめなATRの機内設計。右足が壁と干渉することがなく違和感がありません。この機体サイズでこの設計はすごい!!!
ライバルのDHC-8シリーズとの比較。比較対象はDHC-8-Q400CC。壁の出っ張り度合いが高く、足側面が壁と干渉してしまいます。縦方向の快適さは確保できても、横方向の窮屈感は否めません。
スポンサーリンク
イタリアンな機内設計
イタリアのデザイナー「ジウジアーロ」が設計した機内。
ライバルのプロペラ機(Q400)やリージョナルジェット機(CRJシリーズ)よりも天井高さが高く、意外にも圧迫感がありません。
機内の様子
2-2のコンパクトな配置。天井高さは大・中・小型ジェット機よりも圧迫感あり。しかし、同規模のライバル機種よりも若干天井高さ・通路幅に余裕があります。機内設計は工業デザイナーのジウジアーロが担当。
ちなみに、ジウジアーロは日本製品も多く手掛けています。初代マーチ(日産)、Df・D800(ニコン)など。
48席仕様の機内を後方から。LED照明や薄型座席、大型の荷物棚など従来のプロペラ機の常識を良い意味で覆されます。明るく開放感のある機内。
目線の高さ
こちらは目線の高さ(身長170cm後半)。目線の両サイドに荷物棚。天井の圧迫感は否めませんが、他社のライバル機よりも若干のゆとりがあります。
参考までに、CRJシリーズの目線の高さ比較。比較対象はCRJ700。CRJ100・200よりも改良された機内ですが、それでも天井高さの低さは否定できません。通路幅もATRよりも圧迫感があります。やはり、プロペラ機(ターボプロップ機)のATRの機内環境レベルの高さは注目ポイントですね。
読書灯・個別空調・CAさん呼び出しボタン
頭上の読書灯・個別空調・CAさん呼び出しボタン。小さくとも必要最低限の機能は備えています。青色の照明のアクセントがcool。
シートポケット
シートポケットは上部と下部の2箇所。上部は固定式、下部はネット式の伸縮式。収納性はまぁまぁ。
テーブル
大きな窓
窓サイズは普通。特筆すべき点はありませんが、3番の座席からはプロペラが真横に見えます。
LED照明
最近主流のLED照明を採用。明るいだけでなく、コスト・整備面でも有利。B787やA350のようなシーンに応じた色変更のサービスはありません。
おすすめ座席・おすすめしない座席
おすすめは最前部付近か最後部付近の2箇所。非推奨座席はありません。
高翼機なので全席から翼に遮られることなく景色を楽しむことができます。
おすすめ座席(赤丸)。前方から1C・1Dは飛行機ではレアな後方着席が体験可能。2A・2B・2C・2Dは非常口なので足元広め。3A・3Dはプロペラの真横席で景色はがGood。13A・13Bは乗降口にもっとも近く、搭乗・降機がいち早くできます。
最前部お見合い座席(おすすめ)
最前部のお見合い座席(1C・1D・2C・2D)。飛行機ではレアな後方向きに座席が設置されています(1C・1D)。その向かいの2C・2Dは通常方向。これら4席は非常口座席のため足元が広く、おすすめです。
進行方向と逆方向に着席する体験は、かなりレアなので強くおすすめします。気まずさも強めですが...
非常口座席(おすすめ)
2A・2B・2C・2Dの非常口座席。2C・2Dは先述した場所。2A・2Bは画像の2席。こちらも非常口座席なので足元は広め。窓位置もベストです。なお、ATRシリーズの乗降口は最後部だけなので、乗り降りの際は一番最後になります。
プロペラ真横席(おすすめ)
ジェット機では体験できないプロペラの真横席の3番座席。子イルカが描かれたエンジンも一緒に眺めることが可能。いつ、プロペラがぶっ飛んでくるかわからないスリルがたまりません(めったにありませんが)。
最後部座席(おすすめ)
乗降口に最も近い13番座席。ATRシリーズの機体は最後部のドアから乗降するため、後部座席の方が素早く乗降できます。普通の飛行機とは逆の流れです。
まとめ
以上、天草エアラインのATR42-600型機の座席の広さ・快適さのまとめとなります。
プロペラ機ですが、機内環境は意外と悪くないです。
座席間隔は大手エアラインやジェット機と同様。革の高級感ある座席。
イタリアのデザイナー「ジウジアーロ」が設計した調和の精神を感じる機内。
ライバル機種よりも若干高い天井。明るいLED照明。
最新技術が投入された機内は、従来のプロペラ機の常識を良い意味で覆してくれました。
素晴らしいですATR42!!!
・全席普通席(48席仕様)
・最前部はレアなお見合い席
・シートピッチ約31インチ、握り拳1個分の足元広さ
・赤色の革生地座席
・イタリアのデザイナー「ジウジアーロ」が設計した機内
・他社ライバル機種よりも若干高い天井と広い通路
・おすすめは最前部、非常口座席、プロペラ真横席、最後部座席
天草エアラインの搭乗記はこちら
-
【搭乗記】天草エアラインの最新プロペラ機で福岡から天草空港へ
1機だけで運航する、日本一小さなエアラインこと天草エアライン。 熊本県の天草空港を拠点に、1機で1日10便程度をやりくりします。 そんな ...