海外旅行の代名詞的存在のジャンボジェット。
4発のエンジンを装備するジャンボ機は、低燃費化の流れに逆らえず絶滅危惧種な存在となりました。
そんな訳で今回は、アシアナ航空のジャンボ機にてソウル・仁川から東京・成田までフライトしました。
羽田⇒ソウル⇒成田⇒ソウルのクレイジープラン。これは1回目の韓国入国時の仁川空港内の様子。入国時間50分の韓国滞在を終え、再び日本へ...。
搭乗DATA
航空会社:アシアナ航空
搭乗日:2023/04
路線:ソウル/仁川 ⇒ 東京/成田
飛行時間:2時間20分 (発9:00⇒着11:20)
便名:OZ102
座席:1A ロイヤルビジネスクラス・窓側
機材:B747-400 (HL7428) 機齢24年11ヵ月
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広くて綺麗で景色がGoodなアシアナラウンジ
今回利用するのはビジネスクラス。
朝ごはん&シャワー利用のために、アシアナ航空ビジネスクラスラウンジを利用しました。
開放感のあるラウンジ内
広くて開放感のあるラウンジ内。今回利用した場所はセントラル。早朝のため利用客もまばら。
グラスの底面から注ぐスタイルのビール。アシアナラウンジ名物でしょうか。
ジャンボ搭乗というオリンピックレベルで最重要なフライトがこの後に控えていたため、悔しいですがアルコールはパス。
朝食。韓国らしい料理は少なめ。辛ラーメンは山ほど置いてありましたが...。広々とした窓からの景色は最高。開放感Good.
シャワールーム
早朝のためシャワールームも予約なしで利用できました。清掃も行き届いており、水滴が皆無なレベル。ただし、シャワー室との境界から水が浸食してきた点は改善の余地あり。
シャンプー・リンス・ボディーソープ類の銘柄はダヴでした。実家のような安心感。
アメニティー類。種類は必要最低限。歯ブラシがあるだけでも大変助かります。
絶滅危惧種なB747-400に乗る!
今回の韓国遠征の目的はジャンボに乗ること。
特に、個人的に幼少期からお世話になったB747-400型機。
世界的に、これに乗れるのはルフトハンザドイツ航空・中国国際航空・アシアナ航空ぐらい。
非常に搭乗機会が限られています(記事執筆時)。
アシアナ航空最後の旅客型ジャンボ
今回の搭乗機のB747-400(HL7428)。機齢約25年。アシアナ航空最後の1機の旅客型ジャンボ。引退間近のはずですが、老体に鞭打って最後まで頑張っています。最新型のB747-8であれば他社で運航中なので、今後まだまだ搭乗機会があるかもしれません。しかし、B747-400となれば話は別。JAL・ANA・政府専用機で活躍していた、お馴染みの400型は世界で乗れるエアラインは限られます。豪快な音色に定評のあるCF6-80C2B1Fエンジンを4発も装備。同じ運賃を支払うなら4発機の方が安心感がありますよね。やはり、4発機は神。
これに乗るために韓国まで来たんだよ!!!
コックピットの窓掃除が始まりました。マニア歓喜な光景。B747-400はコックピットの窓が他機種のように開閉不可。大変そう。
マニア多めの搭乗待合室
待合室からジャンボを望む。なんと贅沢な光景でしょうか。韓国人・日本人の航空マニアと思しき、カメラを首から下げた同志が複数人確認できました。
最近はアシアナ航空の公式広報がSNSでジャンボの日本路線投入を告知してくれるレベル。それだけジャンボが日本人に愛されているのでしょうか。
確かに最近、アシアナジャンボに乗った!!!と呟くフォロワーさんが増えたような。累計50人くらい。多すぎますよ(笑)。
いざぁ搭乗。ゲートが開く前のドキドキ感、まるで競走馬の気分。仁川競馬場・コンクリート100m、だいこんブラック出走でーす!!!
コックピットよりも前の最前列座席
アシアナ航空のB747-400型機の座席表と自席の位置(引用:アシアナ航空 HP)。今回はビジネスクラス(ロイヤルビジネス)の1Aを事前指定。ロイヤルビジネスですが、この10席は元ファーストクラス。座席は異なりますが、サービス自体は2階席のビジネスクラスと同様でした。
ジャンボジェットの「最前列座席で飛ぶ!!」といった個人的な人生の夢が1つ叶いました。残すは人生の課題は結婚ですね...(予定未定)。
機外から見た自席の位置。赤丸部の4窓分が自席ゾーン。2階席のコックピットよりも前方に位置する特等席。機内に2席だけの高競争倍率の座席です。
前輪のパッドの擦れ音が楽しめる
この位置の特権として、離陸時の前輪収納時に、タイヤの回転を止めるための機体側のパッドとの擦れ音を楽しむことが出来ます。
振動と音はなかなか。これもジャンボだけのイベントです。
動画はこちら。
Aコンパートメント全景
最前方のAコンパートメントの様子。10席だけの元ファーストクラスのロイヤルビジネスが並びます。
徐々に狭まる構造の最前方区画のAコンパートメント。これぞ、コックピットよりも前方にあるジャンボ1階席の特徴的な設計です。
最前方の壁内はクローク。洋服だけではもったいないレベルで広め。一般家庭の押し入れレベル。スケールがジャンボです。
元ファーストクラスのロイヤルビジネス
今回の座席の1A。正真正銘の最前列座席。座席は一昔前の設計です。
最近のファースト・ビジネスクラスのような個室感は皆無。しかし、座席の距離がかなり離れているためプライベート感は高いです。
フルフラット状態。ほぼ180度。ファーストクラスに相応しい、文句なしの足元スペースと座席幅。正直、今回の2時間弱のフライトでは寝心地を十分に楽しむ時間はありませんでした...。
座り心地レビュー
ホールド感なし。座席左右に握りこぶし1個分の幅スペース。昔ながらのゆったり系の座り心地。リクライニング操作時のモーター音うるさめ。良く寝れそうなふかふか度合の柔らかさ。全体的にくたびれた感はあるが、綺麗にメンテナンスされている。ヘッドレストは左右ホールド可能。モニターは光度が足りておらず、若干見にくい。
座席の柔らかさ
★★★★★
段差のないフラットなテーブル。面積も広めで各種作業も捗りそう。
ライフベストの収納場所。大抵は座席下に収納されていますが、ここでは窓際のサイドテーブルに専用の収納場所がありました。なんか、かわいい。
レトロな機内装備
レトロな角ばったデザインの荷物棚。最近主流のA350やB787・B777のような曲線デザインの大容量タイプではなく、一昔前の普通の収納性の棚。
この角ばった感じがいい味出しててGreat!!
読書灯と個別空調もレトロでGreat!!LEDタイプではない、優しい暖色系の読書灯と手動調整式の個別空調。一昔前の装備マシマシでもう最高。これだけでも大満足なのです!!!
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成田まであっという間の2.2時間のフライト
ソウル・仁川から東京・成田までは約2.2時間のフライト。
正直なところ、忙しかったです。
安全ビデオは機体番号入り
1機のみとなった旅客型ジャンボ。安全ビデオにも主翼上に機体番号が記入されていました。今回の搭乗機の「HL7428」専用のビデオみたいなものですね(笑)。
シートポケット収納物一覧。安全のしおりの「B747-400(PAX)」の文字が尊い...。
安全のしおり。アッパーデッキからの脱出はスリルありそうですね。
前輪の真上の座席ならではの体験
唯一、前輪の直上に客室が存在するB747。他機種では体験できない出来事ばかり。
機内から見えるトーイングトラクター
約20分遅れで出発。ノーズギア直上の座席位置なので、トーイングトラクターが機内から確認できました。トーイングトラクターのエンジン音と、ギアを曲げた時のゴリゴリ音が聞こえる機内。こんな経験はジャンボのAコン座席だけの体験。
地上走行時のショックは大きい
地上走行時の衝撃はなかなか。ドスンドスンと、タイヤのショックが直に伝わってきました。特に、離陸滑走時の衝撃は大きく、滑走路中心のライトを踏んだ時のドスドス感は過去一番!!!大変気持ちの良い振動でした。
また、先述したように、前輪収納時のショック・音もなかなか。前輪単体にブレーキ機能がないジャンボ。胴体側の静止用パッドにタイヤを擦り付けることで回転を停止させる設計となっています。その際にゴリゴリとした振動と音が大きく、「これでよく壊れないなぁ...」感で頭がいっぱい。
ふわっとした機首下げ
4発のCF6のねっとり&豪快な音色を聴きつつ、離陸・上昇が完了。
水平飛行の際に機首を下げる際に、「ふわっ」とした下腹部がくすぐられるような感覚が。これも前方座席ならではの体験ですね。
シャキシャキ野菜の韓国料理の機内食
離陸から30分後、機内食が開始。
上空でいただく韓国料理の「サムパプ」は地上クオリティの美味しさでした。
野菜がシャキシャキすぎ...!!!
洋食か韓国食の2択。ここは迷わず、プルコギ栄養サムパプで。日本語メニューがあるのは非常に助かりますね。
短距離路線でもシャンパンが提供されるのは大変素晴らしい...。銘柄は「Heidsieck Monopole Blue Top Brut」。1本約5000円。フランス革命直前の1785年の創業で、4番目に古いシャンパンハウスとのこと。
シャンパンとスパークリングワインの違いも判らない味覚レベルですが、確かに美味しかったです。
この座席は後方からCAさんが突然現れ、サービスを開始するため流れが読めません(笑)。大抵は前方からやってきますが、ここだけは機体構造上仕方ないですね。最前列座席ならではの体験。グラスが空になるとすぐに追加してくれ、非常に気の利いたサービスクオリティでした。
あと、ドリンク類がちゃんとグラスで提供されるのが素晴らしいですね。日系某エアラインは紙コップでワインを提供するといった、ワインに対する大変失礼なサービスをプレミアムクラス等で取り入れています。スーパーの試飲会レベルでしょうか(笑)。大変残念。
韓国料理のサムパプの機内食。プルコギとご飯、味噌汁・特製付け味噌・キムチ・果物の構成。プルコギを野菜に包んで食べるサムパプは、2005年にアシアナ航空で初めて提供され、2006年に国際航空ケータリング協会から機内食部門で金賞を受賞しました。
日本人の味覚にもちょうど合う、とても美味しい機内食でした。
リピートしたいレベル。
特製付け味噌の「サムジャン」とキムチと果実。サムジャンは辛さ控えめで、ナッツ類もふんだんに配合されており美味しかったです。キムチは甘さ控えめで酸味があり、韓国の現地風の味付け。
文句なしのボリュームの生野菜。シャキシャキ感&みずみずしさがあり、採りたてクオリティ。枚数・種類が多く、様々な風味を楽しむことが出来ました。青・赤唐辛子は辛すぎ...!!!
作ってみました。好きな野菜の組み合わせ・ボリュームで楽しめる、エンタメ要素もあるサムパプ。組み合わせは無限大。新鮮野菜とアツアツなサムギョプサルのカップリング、美味しくないはずがありません。反則です、この組み合わせ。また食べたい。
食器も高クオリティ。鶴の絵柄がかわいい陶器と、韓国料理の必需品の金属の箸。料理・食器・サービスのすべてが完璧でした。
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機内散策
ジャンボならではの機内設備を楽しませていただきました。
エンジンの機窓
4発機といったらこの機窓。片側2発のCF6-80C2B1Fのエンジン。どんなに時代が進化したとしても、エンジンが多い方が良いに決まってます。最新のA350やB787だって、燃油サーチャージはB747と変わらないのだから、ここは豪快に燃料を燃やして燃油サーチャージ分を回収していきましょう!
ちなみに、今回の最前列座席からはエンジン音は程よいボリュームでしか聞こえて来ませんでした。エンジン音を聴くならBコンがおすすめです。
反対側から。この景色を求めて、日本のマニアの一体何名がこのジャンボに搭乗したのでしょうか??100名超えてるんじゃないか!?
がっちりとした設計の主翼。この角ばった設計が時代を感じますね。仮に、B747-400に乗る機会があるとしたら、トリプルスロテッドフラップが展開する様子を眺めたいですね。
水飲み場
ジャンボの特徴といえば、トイレ近くに設置された水飲み場。紙コップは設置されておらず、稼働していない雰囲気でした。残念。
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飛行機の機内の水飲み場はかなりのレア設備だけど水の味はマズイです
ドリンクバー形式でいつでも水を汲むことが出来る機内の水飲み場。 B747やA340-600など、ごく一部の機材に設置されています。 そん ...
日本メーカー製の設備
ギャレー付近で発見した煙探知器。機内装備品・航空機用座席に定評のあるJAMCO(ジャムコ)。書体もレトロですね。
アッパーデッキ
2階席ことアッパーデッキから。2階席だけでもE170と同じスペースがあります。この屋根裏部屋感、少年時代のワクワク感を彷彿とさせますね。人の往来も無く、エンジン音も静かで、快適さに関しては機内No.1です。
HL7428のプレート。退役するその日まで頑張って欲しいものです。
フルフラット状態を楽しむ
元ファーストクラスの座席。時間が許す限り、フルフラットの寝心地を満喫しました。
フルフラット状態の座席。最近主流の個室型とは異なり、壁が無い分開放的で広々としていました。幅方向はビジネスクラスレベルですが、奥行き方向は文句なしの広さ。良く寝れそうなふかふか具合の柔らかさ。このまま太平洋を横断してアメリカ大陸まで飛んでくれればなぁ...。ゴーっとした風切り音がほとんどで、静かな機内空間でした。
リクライニング動作時のうるさいモーター音と、小さいモニターがマイナスポイント。
フルフラット状態で寝た時の視界。徐々に絞られていく天井が、まさに最前列座席に着席していることを実感。
反対サイドの座席までの距離感。エコノミークラスなら4列配置できるレベルで遠いので、パーテーションが無くてもプライベート感は高いです。
ちなみに、反対サイドの乗客は韓国人の航空マニア。日韓アシアナジャンボ同盟がここで結成されました。
フライトはクライマックスへ
何だかんだであっという間に降下開始。雨風が強く、景色は微妙でした。
FR車のような加速感
飛行中の加速時には、背もたれ後方から押されるような感覚がありました。
まるで「FR車のような」乗り心地。前方座席だからでしょうか。
軽トラの2WDモード時ぐらいでしかFR車の乗り心地を知りませんが、後部から加速する感じはこのフライトでも体験できました。
ギアダウン後の細かな振動と騒音
ギアダウン後は前脚に当たる風の影響で、機内に「ゴー」とした騒音が。
床下からは細かな振動も。ランディングギアが空気抵抗を高めていることを全身で実感できました。
前方の景色
いよいよ成田へ。内側に湾曲している最前列の窓からは、わずかに前方の景色が。雨が当たる音も鮮明に聞こえ、確かにここは最前列なんだなぁと。
WESTERN GLOBALのB747-400BCFが待機中。この搭乗機も、旅客型を引退後は貨物機として頑張って欲しいなぁと。
雨の成田に到着。4つの窓から差し込む光は弱め。こんなに窓を占有できる機会はもう一生訪れることはないでしょう...。
11:28、定刻から8分遅れで成田に到着。素晴らしいフライトを体験させてくれたアシアナジャンボ、ありがとうございました!!!
めでたし。めでたし。。。。。
という訳ですが、2時間後の13:20成田発のフライトで再びこのアシアナジャンボで仁川に帰りました(笑)
詳細はまた別記事で紹介します。
フライトルート
今回のフライトルート。気流悪めのフライトでしたが、ジャンボの揺れに対する安定感は素晴らしかったです。
まとめ
そんな訳で、アシアナ航空のB747-400でソウル・仁川から東京・成田までフライトしました。
やはり、ジャンボのフライトは大変素晴らしいです。一生モノの思い出が出来ました。
最前列の元ファーストクラスでのフライト。座り心地はもちろん、圧倒的なスペース感が素晴らしかったです。
韓国料理の機内食は今までの機内食の中でTOP10にランクインするレベルの美味しさ。手巻きする楽しさもありGreat!!
ノーズギアの衝撃、パッドとの接触音、風切り音、湾曲した機内など、メカニカルな視点でも大変面白いフライトでした。
評価
機内食
★★★★★(韓国料理のサムパプは野菜が採れたてクオリティでGreat!!サムギョプサルとのコラボが美味)
シート
★★★★★(元ファーストクラス。ゆとりあるスペースが開放感抜群。最前列ならではの視界は大変新鮮)
機材コンディション
★★★★★(機齢約25年のベテラン機。レトロな機内装備だが、メンテナンスが行き届いていた)
機内スタッフ
★★★★★(親切丁寧テキパキとしたサービス。日本語によるサービスも一部であり)
エンターテイメント
★★★★★(4発のCF6エンジンの音色は最高のエンターテインメント。最前列の窓からの景色も文句なし)
時間の正確さ
★★★★☆(約10分の遅延)
総評
★★★★★