新型コロナウイルスの影響でハワイに飛べないANAのA380。
そんなA380を活用した、地上の機内で機内食を満喫出来る「レストランFLYING HONU」。
今回は、レストランホヌのビジネスクラスに参加してきました。
レストランFLYING HONUのチェックインカウンター。場所は成田空港の第2ターミナル。搭乗クラスごとに時間が設定されており、目立った混雑はありませんでした。
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目次
出発前からハワイ気分
通常のフライトと同様のセキュリティチェックを受け、搭乗口へ。
飛びませんが、刃物や危険物等の面倒なものは持ってこない方がいいです。
搭乗口ではANA社員によるウクレレ演奏やフラダンスが行われており、日本に居ながらハワイ気分を体験できました。
搭乗待合室にて開催されていたANA社員によるフラダンス。ウクレレ演奏やトークショーなど、バス搭乗までの間でハワイ成分を補給。
売店も併設されているため、小腹が空いた人は食糧を調達可能。また、A380グッズも販売されていました。
今回のチケットや各種案内。座席位置は事前指定不可でランダム。今回は2名での予約でしたが、12C(私)・12D(同行者)の窓側&通路側で振り分けられました。1人予約の場合は窓側のA or K、2人の場合はC・D、E・F、G・Hのいづれかといった感じでした。
座席指定が不可なのは残念ですが、フライトのように景色が変わる訳ではないのでまぁいいでしょう。
逆に、1人で予約すると高い確率で窓側席が割り当てられると思います。
ANAのA380の座席表と自席の位置(引用:ANA HP)。今回の座席は2階席のビジネスクラスの12C。同行者は12D。一応、窓側扱いですがサイドテーブルによって距離がありました。ビジネス区画は2全面的に主翼の位置なので、地上の景色はいまいちです。
56席のビジネスクラスですが、ほぼ埋まるほどの人気の高さでした。
いざぁ搭乗。成田発成田行きNH2029便。RESTAURANT FLYING HONU仕様の画面が気分を高揚させました。
機内見学の際に着用するゴム手袋。コロナ禍ですが、感染症対策に最大限配慮した中でのイベントを企画していただいたANAさんには感謝しかありません。
カードごとに内容が異なる手書きのメッセージカード。温かみを感じますね。
全クラス撮影し放題の機内見学
まずは機内見学。搭乗クラスによってスケジュールが異なります。
先に機内見学→食事か、食事→機内見学の2パターン。
機内は全クラス撮影&着席可能。見学時間は30分間。いつものフライト時よりもじっくり見学できました。
レストランホヌの1日の流れ。搭乗クラスごとに異なるスケジュールのため、混雑することはありませんでした。さらに、今回のファースト・ビジネスクラスの中でも2つにグループ分けされており、密にならぬよう配慮されていました。
2つのグループでは、1.先に機内見学→機外での撮影と、2.機外での撮影→機内見学に区別されていました。おすすめは2のグループ。1だと2のグループに追われるため、少々急ぎながらの機内見学に...。2の方が後から追われることなくじっくり見学出来ると思います。なお、このグループ分けも座席位置によって分けられている感じだったため、選択することは不可能です。
お待ちかねの見学タイム。見学機はランダムですが、この日は3号機の「ラー」が担当。日本にデリバリーされてから、今回が2回目の一般公開。冬の透き通った青空にオレンジの機体が映えました。
いつものポートサイドとは反対側からの搭乗。こんな経験も見学ならでは。A380の主翼の湾曲度合い・厚さがすごい...。翼端方向につれて翼位置が下がる傾向に。この設計は独特ですね。
ホヌの特徴の1つ、ANA COUCHiiの座席。追加料金でエコノミーなのにベッドとして利用可能。ニュージーランド航空が開発し、ANAに特許の使用権が与えられた経緯があります。合計18グループが使用可能。圧迫感はあるものの、機内で横になれるのはかなり楽。
横になった時の広さ。縦方向のスペースもちょうどいいです(身長170cm後半)。横方向は少々圧迫感がありますが、エコノミーなので仕方ありません。カウチ用座席なので背中が接する座面はフラットで、通常座席のような凹凸がないため寝心地も良好。通常時に折りたたまれている拡張展開部もガタツキがなく、安定感がありました。欠点としては、窓側3席の客に足を向けて寝ることになる点でしょうか。頭部と足先方向のプライバシー感は皆無です。
機内最後部の階段。これもA380だけの特徴。他社で採用されている螺旋階段スタイルではない省スペースな四角形状。通常は乗客の移動に使用されることはなく、ロープで封鎖されています。こんな機会も2階建て旅客機ならでは。
この後、プレミアムエコノミーとビジネスクラスの機内を見学。この記事では割愛させていただきます。
機内見学最後の目玉、ファーストクラス。画像は見学用にベッド状態にセッティングされたもの。通路とのパーテーションも大型で、プライベート感が非常に高いです。全体的に落ち着いた色合い。まさに、ファーストクラスの名に恥じない設計の座席。
窓側のファーストクラス。窓3つ分の余裕のスペース。座席幅・足元広さともに最高峰。現行の窓が見にくいB77Wのファーストクラスよりも圧倒的に良いです。シェードは電動式で応答性も高くストレスフリー。
ファーストクラスの足元広さ。広すぎて文句の"も"の字も出ません。前方には32インチの大型モニター。シックな木目調の色合いが書斎のような安心感がありました。また、テーブルを手前に移動させることで、反対側にもう1人着席することも可能。空の上で対面で談笑できるのはいいですね。新婚旅行にもぴったりなのでは?
2階席最前方のバーコーナーに施されたクリスマス仕様の装飾。ホヌ・カイ・ラーのぬいぐるみがかわいいですね。このようなスペース上で余裕のある演出ができるのはA380の特徴とも言えます。
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レストラン会場の2号機にて機内食タイム
約30分の機内見学会を終え、バスにてレストラン会場の2号機へ。
搭乗前にパイロットさん・CAさん・コックさんと機体をバックに撮影ができました。
1日に2回もA380に搭乗できる今回のイベント。しかも地上から。最高ですね。
レストラン会場の2号機「カイ」。1日に2回も地上からA380に搭乗できる機会はかなりレア。逆光なので撮影には不向き。
隣にはウィングレット装備のB767-300ER(JA625A)。ホヌ以外も間近で撮影出来るのは大変素晴らしい...
ビジネスクラスの座席を体験
機内食提供開始まで時間があったため、座席の座り心地を徹底的に満喫。
時間的に余裕があるため、やりたいことがすべて出来てしまいます。
座席マニア的には必修科目にしても良いレベルの満足度高めのイベントでした。
レストラン機への搭乗。ビジネスなので前方の階段にて座席まで向かいました。通常のフライトでも直接アッパーデッキから搭乗することが多いため、階段を登る機会は貴重。後続のお客さんも居ないため、1歩1歩をじっくりと踏みしめることができました。
今回の座席(12C)。スタッガード配置の窓側ですが、サイドテーブルのため窓まで距離がありました。全体的に落ち着いた色合い。飛行回数が少ないため座席は大変綺麗で清潔感あり。このままハワイまで飛んでいければなぁ...
フルフラット時の様子。実際のフライトではマットレス・枕・毛布が支給されます。通路とのパーテーションがないため、プライベート感は皆無。間抜けな寝顔を晒すことになりますが、座席の設計上仕方ありません。
食後の空いた時間の食休みとして、フルフラットにしてくつろぐ参加者の姿も確認できました。下手したら、そのまま寝てしまう程の快適さ。
さすがビジネス。足元の広さは文句なし。座席幅に関しても、両サイドに握り拳1個分の余裕がありました。唯一の欠点としたら、つま先が前席の段差部に接触してしまうことでしょうか。
座り心地レビュー
ホールド感あまりなし。生地は布で滑りにくい。ひじ掛けは革。頭部は反発系。足元は広いが通常状態だとつま先が前席の段差に接触する。リクライニングは電動。フルフラット時は縦方向の余裕はあまりない。背もたれは力を入れるとガタツク。フルフラットまで20秒、通常状態まで戻るまで20秒。テーブルのロックが固く、展開しにくい。
座席の柔らかさ
★★★☆☆
フルフラット時の様子。まさにベッド。縦方向の余裕は意外となく、身長180cm以上の人だと足先がボックスに接触してしまうかもしれません。また、通路とのパーテーションがないため、プライベート感は低めです。おすすめは窓に近いA or Kの席。
安全のしおりよりも大きい18インチのモニター。高精細の光沢系の画面でタッチパネル式。動作もサクサク。
窓から見えたB767WL。日本の旅客機で2階席に乗れる日が再び来るとは...
ビジネスクラスの機内食を実食
ビジネスクラスのお客さんが全員揃い、機内食タイムがスタート。
約2時間のコース料理の始まり。
地上のため上空よりもアルコールによる酔いが回る早さが遅く、食事に集中できました。
ビジネスクラスのメニュー。実際のビジネスクラスで提供されるものと同様。ドリンクメニューの豊富さに驚きました(エコノミークラス常連感)。
まずはアミューズ。ドリンクはシャンパンを選択。スティックは甘さ控えめ。スイートポテトの量も美味しく、ドリンクとの相性もGoodでした。
・シナモンジンジャースティック
・スイートポテトのリンゴ和え 海老サラダ
食事中にはホヌに関するクイズが。マニア的にも初めて知る内容ばかり。大画面のモニターは画質が良く、飛行機の世界もここまで来たか!と感じさせられました。
なお、3回ほど放送が中断するアクシデントが発生。再スタートの度にビデオが最初から放送されるため、ある意味復習ができました。
次はアペタイザー。特に印象的だったのが右から2つ目の白和え。干し柿の甘さ、切干大根の食感、菜の花の風味が程良く調和。和食の可能性を感じました。どの料理も美味!
アペタイザー
・カニサラダ 黒胡椒風味のシューに詰めて
・平目と紅芯大根のミルフィーユ
・蒸し鶏と菜の花、干し柿、たくあんの白和え
・イカ墨ピラフのイカ飯
ブレッド
・バゲット
・ブリオッシュ
シャンパーニュ・カステルノー・キュヴェ・ブリュット・レゼルヴをおかわり。旅行系ブログで良く見るこの構図、一度やってみたかったんです。新しいドリンクをいただく度にグラスを新品のものと交換していたため、風味が変わることなく、また衛生面でも清潔でいいなぁと思いました。洗い物が増えて大変そうですが。
メインは魚を選択。出汁の効いた海苔、ゆず風味の餡が肉厚のシンプルな味の鯛とマッチし、大変美味しかったです。また、かぶら餅は弾力があり、機内食と言えども餅感は健在でした。鯛は骨抜き処理実施済みのため解体の手間が省けるだけでなく、老若男女誰でも安心して食べることが可能。
以下2種類から1つ
・牛フィレ肉のソテー 赤ワインソース 百合根のピューレと野菜の出汁煮添え
・真鯛の唐揚げ 野菜の裏ごしと海苔餡 かぶら餅添え
こちらは肉の機内食(同行者のものを撮影)。プレートいっぱいのソースと肉厚の牛フィレ肉。サイドには野菜の出汁煮。和と洋のコラボ。こちらも美味しそうでした。
食後のティータイムはガトーフレーズ。紅茶(ジョージスチュアート、ヴィンテージアールグレイ)をオーダー。紅茶はティーバックでお湯に自分で入れるスタイル。カップは軽くて持ちやすく、口当たりがGoodなNARUMI製。今度は上空で楽しみたいですね。
クリスマス限定配布のクッキー。チョコは先ほどのティータイムの際にいただいたもの。粋なサービス、嬉しいですね。
トイレも通常通り使用可能。綺麗に保たれていました。日本人大好きなウォシュレット付き。
この時、座席では記念品が貰えるじゃんけん大会が開催されていましたが、機会を逃してしまいました(笑)。まぁ、運がないので自分は。
水平飛行中は3度程度機首が上がるため、その傾斜分を相殺するためにテーブルは前のめりに設計されています。そのため、地上ではテーブルだけ前のめり状態となるため、グラス内のドリンクが水平なのに対してグラスが傾く結果に。着席中も若干の違和感がありました。地上ならではの体験。
あっという間に時間が過ぎ、いよいよ降機の時間。半日のイベントでしたが、10分程度の体感時間の充実度でした。
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最後の最後まで飛行機成分いっぱい
名残惜しさの中、1階席経由で降機。
レストラン機でも帰り際に機内見学ができました。
また、バスにてターミナルに戻る際も外周を眺めることができ、最後の最後まで飛行機三昧なイベントに。
2階席のプレミアムエコノミー。2-3-2の余裕あるスペース。A380の2階席はA330・A340と同様の広さがあるため、2階に居ることを忘れてしまいます。B747のアッパーデッキとは別物です。
メインデッキのエコノミークラス。綺麗な状態のキャビンが撮影出来るのも今回のイベントの醍醐味。機内・座席マニアは絶対に参加すべきです。通常のフライトの場合、いろいろと忙しいので...
機体の表面にも触り放題。実際に触ってみると、塗料の色ごとにわずかな段差がありました。あぁ、手塗りなんだなぁと実感。逆に、手塗りでここまで綺麗に塗れるのはすごいですよね。
ターミナルビルに戻る際のバスから撮影。最後の最後まで飛行機成分を補給出来ました。
ターミナルビルに戻ると、ラニ・カイ・ラーがお出迎え。一緒に記念撮影をどうぞ。
最後にいただいた記念品。食べ物から実用性の高いグッズまで、満足度の高いものばかり。ありがとうございました。
まとめ
そんな訳で、レストランフライングホヌに参加してきました。
今回のビジネスクラスは29,800円と少々高いものの、値段以上の収穫がありました。
機内見学と機内食の実食。半日でここまで充実したイベントは久々です。
機内の階段を行き来したり、斜めのテーブルを体験したりと、地上だからこそ出来ること・気づけることが多かったと思います。
コロナ禍は大変ですし憎いですが、この日ばかりは良かったなぁと思えました。
リピートしたくなる、大変素晴らしい企画をありがとうございました。強くおすすめします。