B747に乗りたい...だけど欧米は高いし休みも取れないし...
という訳で、日本発着路線でお手軽にジャンボに乗れる台湾までフライトしてきました。
航空会社はチャイナエアライン。
片道3万円&3時間のショートフライトですが、貴重なジャンボに乗れる穴場路線。
今回はそんな搭乗記です。
搭乗DATA
航空会社:チャイナエアライン
搭乗日:2016/08
路線:成田空港⇒台湾桃園空港(発14:35⇒着17:45)
便名:CI101
座席:11K(2階席-ビジネスクラス開放座席-)
機材:B747-400(B-18203) 機齢18年9ヵ月
出発地の成田空港にて。目立った混雑もなく、スムーズにチェックイン完了。
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絶滅危惧種となったB747-400に乗る
海外旅行といえばジャンボジェットが当たり前だった一昔前。
個人的には、ガルーダインドネシア航空でバリ島、ノースウエスト航空でグァム、チャイナエアラインでハワイ、キャセイパシフィック航空でインド、タイ国際航空でバンコクなど多岐にわたる路線でお世話になった。
海外のみならず、国内線でもJAL,ANAともにB747にて多くのフライトでお世話になった。
そんな旅客型B747に乗れる機会が最近急減している。
低燃費・低運航コストなB777に置き換えているためだ。
最近の大型機路線といえばどこもB777。海外・国内ともにほとんどB777。
B747に乗るためには路線・エアラインを選ばなければならなくなってしまった...
という訳で、乗れるものは乗れるうちに!!と思い、今回のフライトに至った。
運賃が安く、1泊2日程度で行ける場所...そう台湾。
チャイナエアラインが未だにB747を日本路線に投入しているのだ。
値段もお手頃な3万円代。沖縄のちょい先にある台湾なら1泊2日でも悪くない(^.^)
夏休み真っ盛りの8月中旬。
これが最後のチャンスと思い、心おきなくフライトしてきた。
今回の搭乗機B747-400(B-18203),機齢18年のベテラン機。
B-18203といえば、特別塗装「ハグジェット」として運航していた機体。
残念ながら、自分が搭乗した3ヵ月後に退役してしまった...
搭乗待ちの列。夏休み真っ盛りということもあり、乗客の数が非常に多い。
ここまでの搭乗待機列を見るのは久々。国内B744D時代ぶりだろうか。
乗客構成は日本人客と台湾人が1:1といったところか。
搭乗機の型番パネル。アメリカ合衆国ワシントン州レントン製,型式747-409,製造番号28711。
THE BOEING COMPANY
COMMERCIAL AIRPLANE GROUP
RENTON,WASHINGTON,USA
MANUFACTURERS MODEL NO. 747-409
MANUFACTURERS SERIAL NO. 28711
TYPE CERT NO. A20WE
PRODUCTION CERT NO. 700
今回の座席はココ↑↑(チャイナエアラインWebサイトより)
アッパーデッキの最後列窓側の11K。2階席がエコノミークラス客向けに開放されていたためすかさず指定。
ジャンボの醍醐味といえばやはり2階席。
今回の座席。ライフラットタイプのビジネスクラスの座席。
このモデルのCクラスシートは多くの航空会社で採用されている。(ex. タイ国際航空のA330 Cクラスなど)
シートポケットやドリンクホルダーなど、機能性はまあまあ。
画面サイズは文句なしの大画面。
2階席&窓側席の特徴である窓際の収納スペース。
リュックサック1つであれば余裕で入る。ボタンを押して開けるスタイル。
好きなタイミングで荷物を出し入れできる。
窓側でありながら通路側の人に迷惑を掛けることがなく大変便利。
便利さ★★★★★
A380・B747荷物入れ比較はコチラ↓↓
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飛行機の2階席の特権、A380&B747の窓側席の荷物入れ比較
乗り物の2階席。そこは誰もが行ってみたくなる憧れの場所。 飛行機(民間機)で2階席を有する機種はB380とB747の2機種のみ。2階席に ...
毎回恒例の足元レビュー。
文句なしの足元の広さ。一昔前のファーストクラスレベル。
前席までの距離が遠いため、シートポケットの荷物の出し入れがやや大変。
足元の広さ★★★★★
握りこぶし5個分の広さ。
座り心地はやや固め。ほどよいクッション性といったところか。
シートの固さ★★☆☆☆
安全のしおり
アッパーデッキの様子。24席のうち15席埋まっていた。2階席の搭乗率62.5%
安全に関するデモンストレーションが2名のCAさんによって行われていた。
一応、モニター上でも安全に関するビデオが放送されていたが。
15:08,定刻より30分遅れで出発。
機内から見える2つのエンジンが心強い。
今も成田空港に残る空港反対派の建造物「木の根ペンション」を機内から望む。
噂によれば1泊1000円で宿泊できるらしいが、最近はどうだか知らない。
警察の警備が厳重らしい。
あの建物を航空マニア向けの撮影スポットとして提供してはどうだろうか(提案)
ジャンボの機内からデルタジャンボを望む。このショットも今後撮影できなくなってしまうとは('_')
チャイナエアラインの成田=台湾路線のB747運用は2017年10月で終了。
デルタ航空の成田=デトロイト路線のB747運用も2017年10月で終了。
ユナイテッドの成田のB747運用は2017年6月に終了...
もしかしたら、2017年は成田のB747引退ラッシュなのではなかろうか。
機内よりさくらの山の航空マニアを望む。撮影お疲れ様です。
彼らも残り少ないB747の活躍を1枚1枚大切に記録しているのだろうか。
15:32,約20分のタキシングを経てようやく滑走路へ。
第2ターミナルからA滑走路は遠い...
滑走路16Rより4発のPW4056エンジンがうねりをあげ離陸滑走。
非常に安定した上昇を続け,水平飛行へ。
16:04,機内食タイム。
メインはカレーライス。副菜1皿、果物1皿、パン、ドーナツ。
カレーライスはほどよい辛さでgood!!バーモンドカレー風の味付け。
カレー内の鶏肉は4つ。クセもなく日本人が好きそうな味付け。
運賃がエコノミーなので、座席はビジネスでも機内食はエコノミーのもの。
ビジネスクラスとして使用される際は、陶磁器のお皿に盛りつけられた豪勢な料理がテーブルに並ぶことだろう。
食後のビールと白ワイン、キングドーナツ。
キングドーナツの絵が可愛らしい。味も普通においしい。
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B747の特徴、アッパーデッキ
B747の特徴といえばやはり2階席ことアッパーデッキ。
この独特な空間を好む乗客は多い。
JALのB747-400D運航時は2階席に86席もの普通席を設置していた。
ちなみに、J-AIRのE170は全席普通席で76席仕様。
B747は2階席にE170を背負っているようなイメージ。やはりでかい。
今回のチャイナエアラインは24席のビジネスクラスを設定。
ゆとりのある空間はビジネスクラスの設置にぴったりなのかもしれない。
2階席のいい点は他にもある。
エンジンからの距離が遠いため、音が静かなのだ。
フライト中でも隣席の人と普通に会話できるレベル。
機体後方座席ではエンジンの排気音により声がやや通りにくい。
A380の2階席も経験したが、正直なところB747のような「プレミアム感」を得ることができなかった。
A380はただ中型機が二重構造になった感じ。
自分が1階にいるのか、2階にいるのか、差を感じにくい。
しかし、B747は違う。
限られたスペースのみが2階席だからこそ、プレミアム感を得ることができると思う。
B747のアッパーデッキ。24席のみの設定。前方にコックピット、後方にはギャレー。
左右の湾曲した壁が2階席にいることを感じさせる。天井の低さを感じることはない。
メインデッキへの階段。
階段は14段。1段あたりの奥行きは狭く、靴1足分程度。
アッパーデッキへの階段をメインデッキから。L2ドア付近より。
B747の定番、R2ドアショット。2発のPW4056を間近に望む。
ずっと撮りたかった景色。個人的な2016年の機窓No.1ショット。
Cクラス領域のBコンパートメント。この便では封鎖されていた。
やはり、B747のような大型機では成田=台北路線は供給過多なのだろうか。
R3ドアより。
「ジャンボの翼ではテニスができる!!」といった航空関係者の言葉もあながち間違いではなさそうな広さ。
機内最後部より。
エコノミークラスの搭乗率は95%でほぼ満席。やはり夏休み期間中のためか。
ちなみにB747の客室幅は、B777よりも約24cm広い。
B777:5.84m
B747:6.08m
同じ大型機であってもB747の方がゆとりある空間であることは間違いない。
エコノミークラスのシート。ドイツのシートメーカーRECARO製。
モニター付き。シートピッチは大手で一般的な約31インチ。
シートの固さ★★☆☆☆
ジャンボ特有の水飲み場
水飲み場といえば、国鉄時代の鉄道車両に設置されていることもあったが...
飛行機にも特定の機材に水飲み場が設置されている。
私が知る範囲で水飲み場が設置されている機種は2機種。
B747とA340-600である。(他にもあるかもしれないが(^_^;)詳しい方教えてください)
B747はトイレ付近の壁に埋め込まれる形で設置されている。
A340-600に関しては、地下トイレの階段を降りた付近に水飲みコーナーが設けられている。
どちらの機種も、水周り関連設備付近に設置されている。
機内サービスでCAさんにオーダーすれば、いくらでも飲み物を提供してくれるため、正直需要があるのかわからない。
もしかしたら、水飲み場の利用客はいないのではないだろうか。
正直なところ、水飲み場の水の味はおいしくない。
無機質な味というか、ミネラル分がないというか。
水飲み場自体も絶滅危惧種的な存在になってしまった...
そんな水飲み場が今回のB747でも確認できた。
もちろん遠慮なく一気飲み。
味はいまいちだが、飛行機内の水飲み場で飲む飲料水というプレミアム感にマニアとして感動した。
トイレ付近の壁に埋め込まれる形で設置されている水飲み場。ウォーターサーバーといったところか。
この水は機内に設置された飲料水用のタンクから供給されている。
「飲水 Water Fountain」の表記があるので飲んでも大丈夫だろう。
アッパーデッキの自席に戻る。高度36000ftを515ktsにて巡航中。
2階席の不満な点としては、窓が厚い点がある。撮影するにしてもどうしても窓枠が写りこんでしまう(^_^;)
最大角度までリクライニングした様子。180°フルフラットにならないが、3時間程度のフライトであればライフラットでも十分。
シート幅も十分確保されているので、窮屈さを感じることはない。
エンタメ機能のコンテンツ一覧。他社同様のコンテンツ内容。
残念ながら、機外カメラだけは使用することができなかった。
自席より窓を望む。2階席の唯一の欠点といえば、この窓の厚み。外側層と内側層の間のスペースが広い。
2階席が湾曲している構造なので仕方ないと言えば仕方ないが...
成田=台北のフライトもいよいよ終盤戦。あっという間に3時間のフライトが終わりを告げようとしている。
気がつけば、B747の強力な揚力を生み出すクルーガーフラップも展開済み。
台湾桃園空港へファイナルアプローチ。
最終侵入も離陸時と同様に非常に安定している。
17:18、無事着陸。ちょうど搭乗機と同型のチャイナエアラインのB747-400がタキシングしていた。
いつまでCIのジャンボは活躍してくれるのだろうか。
17:56、台湾に入国。入国審査および手荷物受け取りもスムーズだった。
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以上、チャイナエアラインのB747-400にて成田=台北の搭乗記となります。
B747に乗った率直な感想は
「非常に安定した大船のような安心感のあるフライト」
といったところでしょうか。
気流の悪い箇所でもB747のゆとりある設計のお陰か、衝撃が機内に伝わることが少なく非常に安定していました。
また、エンジンが4発あるのでうねりのようなエンジン音が気になりにくいです。
双発機の場合、タキシング時などである周期でうねりのような気になる音がエンジンから聞こえてきますが、
B747ではそのような音が小さく快適でした。
やはりエンジンが4つある安心感もいいですね。
シートは文句なし。
アッパーデッキの快適さは別格。
静かさ、プライベート感の高さなどなど。機会があればまた利用したいです。
素晴らしいフライトを体験させていただき、チャイナエアラインには本当に感謝です。
まとめ
・搭乗機は絶滅危惧種なB747-400
・2階席の搭乗率62%、1階席は90%程度
・ビジネスクラス領域をエコノミー客向けに使用
・B747特有の水飲み場の水はまずい
・終始安定したフライト。気流が悪い箇所でも安定した飛行
・エンジン音が静か。特に2階席。
評価
機内食
★★★☆☆(日本人が好きそうな味付けのカレーライス。ほどよい辛さ、量でおいしい)
シート
★★★★☆(ゆったりスペースのビジネスクラスシート。ライフラットでも十分)
機材コンディション
★★★★☆(機齢18年のベテラン機。老朽化を感じさせない機体コンディション)
機内スタッフ
★★★☆☆(テキパキとサービスを行っていた。日本人CAさんも数名常務)
エンターテイメント
★★★☆☆(他社と同様の一般的な国際線のエンタメラインナップ)
時間の正確さ
★★★★★(定刻通り)
総評
★★★★☆
やはりB747のフライトは最高!!
絶滅危惧種な機種といった補正もあるかもしれませんが、自分にとって思い出深いフライトの1つとなりました。