飛行機の設計上、必ず存在する翼の上の座席位置。
ハズレ席扱いされがちですが、小さな機体ではそこまで気にする必要はありません。
そんな訳で今回は、機種別の翼の上の席からの景色についてまとめました。
世界最大級のA380型機の1階席翼上座席からの景色。視界一面に広がる翼。とにかく広い!!逆に、小さい機体は翼上でも意外と景色が見えます。大型機で景色を楽しみたい場合は翼上は避けた方が無難です。
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目次
翼上座席の識別方法
航空会社の保有機の座席表ページから確認可能。
座席表内に翼のイラストや、翼上座席である旨が書かれているため識別できます。
JALのA350-900の座席表(引用:JAL HP)。翼の位置が座席表中に図示されているため、簡単に回避することができます。
ルフトハンザのA340-300の座席表(引用:ルフトハンザ HP)。リアル過ぎます。素晴らしい再現度。翼の位置どころか、エンジン位置も忠実に描写されています。個人的に座席表のクオリティ最優秀部門を授けたいレベル。
大型機の翼上座席の景色
ここからは、実際に機種別の翼上座席の景色を紹介。まずは大型機。
結論、機体サイズが大型だと翼も大型です。
故に、景色は見にくいです。景色重視の人は回避しましょう。
A380
ANAのA380-800。世界的に絶滅危惧種な全2階建ての"超"大型旅客機。この機体の翼形状は異形(褒め言葉)。大型すぎて、2階席からの景色なのに他機種の1階席からの視点と勘違いしてしまうレベル。
1階席と2階席からの翼上座席の景色。2階席でも視界中の翼の存在感は否めません。1階席は...景色を眺めることは諦めましょう。広大すぎて、そもそも翼なのか?雲なのか?錯覚してしまいます。なお、1階席の場合はフラップやメインギアの動作音を間近で満喫できるため、その点では特等席。機体サイズに合わせて、動作時の音・振動が半端無いです。
B747
大型機の代名詞的存在のジャンボジェットことB747。画像はB747-400。A380の1階席と比較して翼の存在感は控えめですが、景色はやはり見にくいです。テニスが出来るレベルの広さ。
B777
B747の後継として開発されたB777。画像はB777-200。こちらも翼の存在感は高め。景色のにくさはB747と同等と言えます。
ちなみに、ドラマGOOD LUCK!!のEDで新海操縦士が寝そべっていた翼はANAのB777-200です(引用:TBS)。当時、子供ながらに"飛行機の翼はデカイなぁ"と実感しました。飛行機の大きさは何もかもが規格外です。
中型機
次は中型機の翼上の景色。
大型機よりも翼面積が狭いため、景色はまぁまぁ期待できます。
A340
1階建かつ4発エンジンの独特な設計が大変素晴らしいA340。画像はA340-600。大型機か中型機か迷いましたが、一応こちらで紹介。A340の中でも長胴型のA340-600は翼面積がB777と同等です。よって、景色の見にくさも同じ。A340-300は翼面積が狭いため、600よりも景色は見やすいと思います。
B767
中型機の代名詞的存在のB767。画像はB767-300。レトロな設計ですが、今も世界で活躍し続ける名機。大型機よりも前方・後方の景色は見やすいです。
B787
最新鋭の中型機ことB787。画像はB787-8。参考画像が翼の中央部でないため比較材料としては微妙ですが...少なくとも大型機のB777よりも景色は見やすいです。翼の反り上がり度合いが他機種よりも高いため、翼端の景色は少々見にくいかと。
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小型機
機材のダウンサイジング化やLCCの台頭により、搭乗機会が増えてきた小型機。
A320とB737がほとんどを占めます。
結論、小型機の場合は翼上でも景色が完全に見えないことはなさそうです。
A320
LCCなどで搭乗機会が多いA320シリーズ。画像は長胴型のA321。翼幅が大・中型機よりも狭いため、翼上であっても意外と景色は見えます。同様の理由により、そもそもの翼上座席のゾーンが他機種よりも狭いです。
B737
A320シリーズのライバルのB737シリーズ。画像は日本のエアライン各社が保有しているB737-800型機。A320シリーズと同様に翼面積が狭いため、翼上座席であっても翼前後の景色はそこそこ楽しむことが出来ます。また、A320・B737ともに翼上に非常口が設定されているため、広い足元座席が狙える穴場でもあります。
リージョナルジェット
小型機よりもさらにコンパクトなリージョナルジェット。
日本ではFDAやJ-AIRの保有しているE-Jetシリーズや、IBEXエアラインズのCRJシリーズが該当。
正直なところ、翼面積がかなり狭いので翼上座席でも特に問題はありません。
CRJシリーズ最小のCRJ200。機体のコンパクトさに合わせて、翼も非常にコンパクトな設計に。参考画像は翼上ではありませんが、翼面積の狭さが大いに伝わるかと思います。リージョナルジェットに関しては翼上座席であっても特に景色の見にくさは問題ないかもしれません。
翼の下の景色
番外編として、翼下座席の景色を紹介。
高翼機は基本的に翼上座席が存在しないため、基本的にはクリアな景色を楽しむことが出来ます。
DHC-8・ATR・Avro RJシリーズが該当。
DHC-8
カナダの高翼機のDHC-8シリーズ。画像はQ400CC。外観からもわかるように、高い位置に翼があるため窓なし席が存在しません。なお、他機種とは逆に上方向の視界は遮られるため圧迫感は否めません。軒下感あり。
ライバルのATRシリーズも同様の傾向です。
Avro RJ
4発高翼機のAvro RJシリーズ。画像はAvro RJ85。4発エンジン装備かつ高翼機のロマン溢れる、軍用機感満載な特異な機体。翼下の景色はある意味独特。エンジンによって前方の視界はほとんど遮られます。下と後ろ方向の景色しか見えません。マニア的には大変素晴らしい景色ですが...一般受けはしませんね。
翼上座席の楽しみ方
残念ながら翼上座席になってしまった場合でも、楽しむ方法はまだまだあります。
翼の動作や、飛行機感のある景色など、逆に飛行機に乗ってる感を満喫できる特等席でもあります。
旋回時の景色。翼上であっても、旋回時であれば遠くの地平線の景色を楽しむことが出来ます。
翼の動作の様子を眺めるのも楽しいです。特に、着陸時はメカニカルかつ動物的な動きをするため、翼は眺めてて飽きません。ちなみに、画像は就航1フライト目のB787-8の翼。新品のため、外部・内部ともにピッカピカ。こんな楽しみ方が出来るのは翼上座席だけ!
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まとめ
以上、機体別の翼の上の景色のまとめになります。
結論、小さい機体は翼上であっても景色を楽しむことができます。
一方で、大型機は視界の半分以上が翼になるのでおすすめできません。
高翼機では翼上座席は存在しませんが、逆に上方向の視界が遮られるデメリットも。
翼の動作鑑賞など、翼上座席でも楽しみ方は存在するため、違った目線で見るとある意味で当たり席かもしれませんね。