2019年11月にリニューアルされた国内線用B777の座席。
PW製エンジンの不具合による飛行停止期間がありましたが...ついに全機が復活。
そんな訳で今回は、ANAの新仕様のB777-200ER型機(722)にて羽田から新千歳までフライトしました。
朝6:18、ANA LOUNGEにて。平日の早朝にも関わらずそこそこの混雑。この混雑感、コロナ禍前を思い出しました。
搭乗DATA
航空会社:ANA
搭乗日:2022/10
路線:羽田 ⇒ 新千歳
飛行時間:1時間30分 (発7:00⇒着8:30)
便名:NH51
座席:4K プレミアムクラス・窓側
機材:B777-200ER (JA743A) 機齢9年7ヵ月 C-3POジェット
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目次
搭乗機はC-3POジェット
2017年にデビューしたC-3POジェット。
スターウォーズの金色でガタガタ歩く、あの特徴的なキャラクターです。
一昔前のポケモンジャンボを彷彿とさせる、真っ黄色の胴体は空港でも注目を浴びていました。
今回の搭乗機のB777-200ER(JA743A)。SWのC-3POジェット。機材ガチャで当たりを引きました。PW製エンジンの不具合による全機飛行停止期間がありましたが、問題が解決したため再び全機が復活。
春夏秋冬&潮風が吹き乱れる羽田で地上保管されていた本機。お世辞にも機体を保管するのには適した環境とは言えませんが(小声)。素晴らしい技量を持った整備士さんによる整備を経て復活した機体。ここは彼らを信じるしかありません。
"機械はたまーに動かす方が壊れない"といった説もあるため、正直不安な面もありました。しかし、今回のフライトでは問題は皆無どころか、バリバリ元気な飛行を体験させてくれました。
2クラス392席仕様の機内
プレミアムクラス28席・普通席364席の392席仕様。
2019年にリニューアルされた新仕様の機内・座席。時刻表コードは「722」。
在来仕様比でプレミアムクラス数が1列7席の増加。普通席は20席の減少。
ANAのB777-200ER型機(722)の座席表と自席の位置(引用:ANA HP)。今回はプレミアムクラスの4Kを指定。エンジンの音色・景色を楽しめる勝ち席。ただし、機内食の提供タイミングは最後になってしまうので、その点は微妙。
在来型仕様の時刻表表示は「772」。こちらも徐々に722に改修が進むものと思われます。
いざぁ搭乗。L1ドアにはC-3PO役のアンソニー・ダニエルズさんのサインが。C-3POジェット搭乗時は最前方ドアからの搭乗がおすすめです。
今回の座席の4K。2019年にリニューアルされたANAのプレミアムクラス。同様の座席は一部のB787(78G)にも搭載されています。シートメーカーはSafran Seats US社。従来の革製座席から布生地に変更され、生地色も落ち着いたブラウン系に。座席間隔は変わらず127cmですが、電動化や大型のモニターなどで大きな進歩が見られます。
大型のパーテーションと頭部サイドの出っ張りにより、プライベート感が若干高まった設計に。窓2~3個分のスペースは国内線では十分すぎる広さ。背もたれは程よい肉厚感で近年主流のペラペラなチープ感がなく、上級クラスにふさわしい座り心地。
15.6インチのタッチパネル式の個人モニターを装備。高精細かつタッチの感度も良く、まるでiPadが埋め込まれているかのような印象を持ちました。贅沢な悩みとしてはモニターまでの距離の遠さ。タッチでの操作時は腕が若干疲れました。
文句なしの足元広さ
着席時の足元広さ(身長170cm後半)。座席間隔は約127cm、文句なしの握り拳5個分の広さ。ちなみに、JALの国内線ファーストクラスは約134cm。間隔に関してはわずかに負けてますが、そもそもが国際線ビジネスクラスレベルの広さなので普通に快適でした。
左右握り拳1個分ずつの座席幅。幅に関しても文句なしのゆとりの設計でした。この余裕こそ、上級クラスの特権ですね。素晴らしいです。
座り心地レビュー
座席間隔約127cmの文句なしの足元広さ。座席幅は左右握り拳1個分。ホールド感なしのゆったり系。固めのタオル生地のような布生地。布生地の背もたれのため、着席中は革のように滑ることがない。背もたれはやや反発系。ヘッドレストはやや反発系、上下左右ホールド可能。上下移動時はガチガチうるさめ。最大角度へのリクライニングは22秒、&通常状態への戻り時間は20秒。収納多めでGood.
座席の柔らかさ
★★★★☆
大型モニターと十分な収納スペース
15.6インチの個人モニター。タッチパネル対応で、動作はサクサク系。画質も良く、例えるならiPadが埋め込まれているかのような感じ。コンテンツの内容は普通席と同様です。
個人的に筆者が使用しているノートPCよりも大画面...
映像・音楽・電子書籍等のエンタメコンテンツ。ボリュームが多いため、好みのコンテンツを探すのだけでも一苦労(贅沢)。トップガンマーべリックも収録されてました。
機内Wi-Fiももちろん使用可能。正直、機内Wi-Fiに繋がるだけでもエンタメとしては十分な気がしますが...
コントローラー。昔のような物理的なボタンは大幅に減少。黒のパッド部に指を接触させて画面を操作しますが、これがかなり難しい...正直、微妙な使い心地でした。感度が良すぎです。物理式のボタンの方が老若男女使いやすいのではないでしょうか。
コントローラーでの操作が難しかったため、筆者は直接モニターをタッチして操作しました。
座席サイドの小物入れと各種電源ソケット。この小物入れが意外と使いやすかったです。コンデジやスマホの収納で大活躍!
座席の操作は電動式。最大角度⇔通常角度への操作はボタンを1回押すだけで完結。かなり楽!フル角度までのリクライニング時間は約22秒、通常角度への復帰時間は約20秒でした。
座席下部のシートポケット。こちらは特筆すべき点はありません。
サイドテーブル。斜めの境界線にデザインのこだわりを感じました。
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B777で北海道へ1時間30分のフライト
新千歳までは約1時間30分のフライト。
食事とドリンクのサービスと素晴らしい座席のおかげで、あっという間のフライトでした。
気持ちの良いエンジンの音色
定刻から18分遅れでドアクローズ。C滑走路へ向けてタキシング中。コロナ禍前ぶりのPW4074エンジンの音色を満喫できました。
始動時から回転数が上がる時はサイレンのような音色。エンジンから距離があるためか、意外と音色は静かでした。
2021年2月20日に発生したユナイテッド航空のエンジン故障事故以降、B777の同型エンジン装備機の飛行停止命令を受けたJALとANA。是正措置が取られたことにより、ANAは2022年6月から運航再開。約1年弱の間、地上で保管されていました。
運航再開の条件は以下の3つ
・ファンブレード破断防止のため非破壊検査の間隔短縮
・インレットカウルの強化
・火災防止のための改修
残念ながら、今回のフライトにおいて外観上の改修点に気づくことはできませんでした。やはり、中空ファンブレードは難しいのでしょうか。
ほぼ同時期にJALでもエンジントラブルが発生。JALに関しては飛行停止期間をもって国内線用PW製エンジン装備機が全機退役に。あっけない終わり方に、何気ない日常の大切さに気付くことができました。
C滑走路から離陸。ヒューン音とブーン音のMIXされた、久々のPW4074の音色。上昇するにつれて高まるブーン音感。やはり、この音色ですよ!B777といえば。
帰ってきたB777-200ER
コロナ禍前ぶりの搭乗となったB777。この日を待ってました!
フライトマップの機体モデルの再現度の高さに感動。PWのエンジンロゴもしっかりと再現されていました。
程良いボリュームの朝食
出発から約40分後、福島上空にて朝食のサービス。この日はサンドイッチをメインとした洋風のメニュー。量は控えめで、新千歳空港到着後にラーメン成分を補給してようやく満腹になるレベル。陶器での食事はプレミアム感が高まってGreat!!ドリンクはアイスコーヒーをいただきました。先述したように、最後部の座席は提供タイミングも最後になってしまうため、最前列の乗客が食べ終える頃にようやく食事がスタートしました。
料理一覧
・炭火焼きチキンの白髪葱添え
・ハムカツサンド
・スパニッシュオムレツとポルチーニソース
・スモークチキンとクリームチーズのパニーニ
・きなこプリン 黒糖ソース
・キャベツとフライドオニオン ベーコン風味のスープ
(茅乃舎野菜スープを使用)
メインプレート。左から1つめの白髪葱添え炭火焼チキンは甘めの味付けで美味しかったです。また、3つ目のスパニッシュオムレツもクリーミーな味付けで、ワインが欲しくなりました。
残念ながら、この日は到着後に運転しなければならなかったためソフトドリンクで済ませました。期間限定のアイスコーヒーは毎季安定の美味しさでした。
今回注目ポイントのきなこプリン。陶器にすっぽり収まる程度の大きさ。意外と大きい...!!甘い黒糖ソースと、甘さ控えめなきなこの和風の極み感ある味が大変美味しかったです。
食後の紅茶。アツアツなダージリン。こちらも美味しかったです。
ゆりかごのような寝心地
最大角度でのリクライニング時の状態。画像だと角度は浅めに見えますが、実際に着席してみるとゆりかごのような角度で快適でした。最大角度まで約22秒。初期位置までも約20秒。ボタン一つで楽々動作な電動式。
隣席にはヨーダのぬいぐるみが着席。CAさんが持ってきてくれました。スターウォーズジェットならではのサービスですね(笑)。
絵葉書のサービス。CAさんが配布していました。B777-300ERのBB-8ジェットも運用が終了してしまったため、その他の機体も先は長くないかと思われます。
機内の様子。プレミアムクラス搭乗率は約5割。隣席も空席でした。
リクライニング時の視界は広い面積のパーテーションのおかげで隣席の視線はほぼ気になりません。しかし、斜め前方の乗客は視界に入るため、国際線ビジネスクラスのような完全なプライベート感はありません。初期角度だと隣席の人は視界に入ると思います(今回空席だったため予想)。
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快晴の新千歳へ到着
朝食も終わり、残すフライト時間は約30分。
意外と忙しかったです。
福島・下北半島・千歳市街地の景色
右手に見えた福島県浜通りの景色。思いっきり逆光なので右側は撮影に不向き。奥の方が福島第一原子力発電所。左手方向は仙台近郊です。
下北半島のむつ小川原石油備蓄基地。約570万キロリットルの原油が貯蔵されており、ここだけで日本の約12日分の石油需要を賄うことができるとか。地上で見るとタンクの大きさ・数の多さに圧巻されます。おすすめです。
防衛装備庁の下北試験場。鳥取砂丘以上の日本最大級の砂丘。詳細は不明ですが、陸自向け装備の試験を実施しているみたいですね。
北海道上空。着陸へ向けて刻々と変化するPW4074エンジンの音色は大変気持ち良く、耳奥が大変幸せでした。JALのPW製エンジン装備のB777が全機退役した今日において、PW製の音色が楽しめるB777は今後レアになることでしょう。
8:36、定刻より6分遅れで到着。跳ね上がるカーゴドアに描かれたC-3POの機体デザインが、確かに特別塗装機に搭乗していることを実感させてくれました。
プレミアムクラス全景
ヨーダと一緒に着陸しました。エコノミークラスではヘッドカバーがC-3PO仕様ですが、プレミアムクラスは通常仕様。どうやら、ヨーダはこの機体に2体"搭載"されているらしく、普通席のヨーダは大人気で引っ張りだこだったとのこと。
プレミアムクラスの全景。2-3-2の7席×4列の合計28席仕様。国際線ファースト・ビジネスクラスと同様のブラウンの落ち着いた色合い。
大型のパーテーションが目を引く座席。完全なプライベート感はありませんでしたが、リクライニング時は隣席の人が視界に入らないレベルで仕切られておりGoodでした。
展望デッキから搭乗機をお見送り。約1年ぶりの久々の再開。私は君と会えて嬉しい!嬉しい嬉しい!
フライトルート
今回の飛行ルートとデータ。約37,000ft、約440kts。揺れもなく、非常に穏やかなフライトでした。
まとめ
そんな訳で、ANAのリニューアルされたB777-200ER(722)で羽田から新千歳までフライトしました。
従来型から進化したプレミアムクラスは、近距離国際線のビジネスクラスレベルで快適でした。
座席もプライベート感が若干高まっており、上級クラスの名に恥じない座席に仕上がっていました。
どうせ乗るなら従来型の772のプレミアムクラスよりも、今回の722に乗りたいですね!
評価
機内食
★★★★☆(陶器の食器にて提供されるサンドイッチ類は美味。飲み物もGood。量は控えめ)
シート
★★★★★(ゆりかごスタイル。足元・幅ともに余裕があり、座り心地もGood。プライベート感もややあり)
機材コンディション
★★★★★(機齢9年。長期地上保管を経ての復活。問題皆無のばっちりなコンディション)
機内スタッフ
★★★★★(親切丁寧笑顔のテキパキとしたサービス。C-3POジェット感あるサービスが多め)
エンターテイメント
★★★★★(個人モニターはコンテンツ十分。機内Wi-Fi。エンジンの機窓と音色はオーケストラの特等席)
時間の正確さ
★★★★☆(約5分遅れ)
総評
★★★★★
おまけ。新千歳空港到着後にいただいた弟子屈ラーメン。他店が営業時間外の中、ここは朝から営業しているため、空港到着早々北海道成分を補給できます。おすすめです。
ANAのB777-200ER新型プレミアムクラスの詳細はこちら
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