伊豆半島と都心を結ぶ踊り子。
特に、サフィール踊り子号は全席グリーン車以上の豪華さで注目を浴びています。
そんな訳で今回は、東京駅から伊豆急下田駅までのサフィール踊り子の乗車記です。
今回の乗車ルート。東京駅から伊豆急下田駅まで167.2km、2時間29分の所要時間。伊豆半島の輪郭に沿った海沿いのルート。
乗車データ
・列車名:サフィール踊り子 (JR東日本)
・乗車日:2022年6月
・型式:E261系
・路線:東京⇒伊豆急下田
・乗車時間:2時間29分 (発11:00⇒着13:29)
・座席:7号車5番A グリーン車窓側席
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目次
普通席ゼロのE261系サフィール踊り子
今回の車両は2020年に運行開始したE261系。
前任のスーパービュー踊り子号の後継車両で、全席グリーン席以上のクラスという豪華さ。
普通席は無く、プレミアムグリーン車・グリーン個室・グリーン車の3種のみの座席設定です。
今回乗車したE261系。前任の251系スーパービュー踊り子の後継。近代的な流線型のカッコいいデザイン。2020年運行開始のため、車外・車内ともにまだまだ綺麗でした。
ちなみに、前任の251系スーパービュー踊り子。1990年デビューの若干のバブル感ある車内がGreat!!な車両でした。活躍期間は約30年間で2020年に引退。先頭車両のグリーン車座席からは、運転台と前方の景色を楽しむことが出来ました。
「サフィール」はフランス語でサファイアの意味。車体も青色系(紺碧色)の色合いに。伊豆の海と空をイメージしているとか。
伊豆急下田行き、サフィール踊り子1号の表記。サフィールの表記が若干窮屈感あり。
1-3号車は川崎重工業製、4-8号車は日立製作所製と2社がそれぞれ担当。今回乗車した7号車は日立製で、ドア付近に2019年製造であることを示すプレートが確認できました。
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余裕の3列配置のグリーン車
先述したとおり、全車両グリーン車以上の設定。普通席は皆無。
今回はグリーン車の7号車を指定。
サフィール踊り子の座席表と自席の位置(引用:JR東日本 HP)。今回は海側を眺められる左側(A・B)席を指定。サフィール踊り子号の予約競争倍率は高く、今回もチケット確保に苦戦しました。毎日チェックしてると意外と空席が出るため、そこに賭けましょう。
グリーン個室の倍率はさらに高く、たまに空席状況を確認したものの空室となることはありませんでした。
木目調の車内
グリーン車の車内(降車時に撮影)。1-2配置の3列仕様。暖色系かつ木目調の温かみのある空間。高い天井と天窓のおかげで上方の開放感が素晴らしい車内。「電車でこんなに広い空間が作り出せるのか」感が半端無かったです。
車内は新しく大変綺麗。新車の香り。リゾートの賑やか感よりも、落ち着きのある大人な空間といった感じでしょうか。3列配席のため通路幅も広く、大きな荷物を持ち込む場合も安心です。
グリーン車と言いつつ、普通席と同じ4列配席の某特急列車とは大違い。他の列車もグリーン車は3列化して欲しいところ。
1人掛け座席。最近流行りの"おひとり様"も安心。残念ながら、東京⇒伊豆急下田方面は山側の景色になってしまう点がマイナスポイント。
こちらが今回の座席の5A・B。文句なしの足元スペースと座席幅。3580円のグリーン席課金分の意味がある、素晴らしい座席に仕上がってます。生地は固めのタオル生地で触り心地はGood.
横から。しっかりと厚みのある背もたれ。大きなヘッドレスト。領有権争いが勃発することがない、十分な広さのセンターのひじ掛け。東北新幹線のE5系グリーン車座席をベースとした設計。シートピッチは約1160mm。意外にも特急あずさと同等のピッチ。
リクライニング時の様子。背もたれ・フットレストの2箇所が可動。座席間隔が広いため、リクライニングされた場合でも自席空間が窮屈になることはあまりありません。
十分な広さの枕。やや反発系。左右のホールドは出来ないものの、座席サイドが内側に湾曲しているため、ある程度の頭部のホールドは可能。頭部横の黒い箇所は読書灯。
文句なしの足元広さ・ゆとりの座席幅
文句なしの足元の広さ。握り拳4個分の足元間隔。小型の荷物であればここに置くことも出来るレベルで広いです。壁の出っ張りも無く、足が干渉することがありません。
座り心地レビュー
文句なしの足元広さ。握り拳4個分。座席幅は左右それぞれ拳1個分の広さ。背もたれのホールド感は低め。生地は固めのタオル生地。ヘッドレストはやや反発系。リクライニング・フットレストは電動式。
座席の柔らかさ
★★★☆☆
握り拳4個分の足元広さ。約2時間29分の乗車ではもったいないレベル。
左右それぞれ握り拳1個分の座席幅スペース。個人的に好きな幅広系座席。
2箇所のテーブル
テーブルは2箇所。メインテーブルは厚みがあり安定感高め。サイドテーブルはドリンク類置き場として重宝しました(後述します)。
電装関係
AC電源をひじ掛け部に装備。背もたれ・フットレストの操作は電動式で、子供や高齢者でも楽々。展開・収納時間はどちらも約10秒。そこそこのタイムです。
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海沿いの景色を眺める
定刻にて東京駅を出発。横浜まではビル群を眺めながらの走行。
その後、左手には海が見えてきました。
着席時の様子。天窓から差し込む日光のおかげで明るい車内。ビルの高層階の景色もこの窓から眺めることができました。
東京駅の地下で買ったお惣菜をいただきました。今回予約したカフェテリア(食堂車)での昼食時間は12:20から。昼食はお上品な量なので、このように追加で何か持ち込んだ方が満腹になるかと思います。
東京は美味しいものがいっぱいあっていいですね。羨ましいです。
小田原を通過した辺りから徐々近づく海。生憎の曇り空ですが、雰囲気は楽しめました。伊豆方面に行く場合は左側(A・B)席を指定しましょう。
カフェテリアでランチ
お待ちかねの食堂車でのランチタイム。事前予約した時間に向かいます。
味のクオリティも高く美味しいため、是非とも体験していただきたいところ。
予約はサフィールペイから
カフェテリアの利用にはサフィールPayによる事前予約が必要。スマートフォンから予約できるため大変便利。当日予約・利用については、予約状況次第といったところでしょうか。アテンダントさんに聞いてみた方がいいかもしれません。
利用時間が約20分と短めなので長居は出来ません。回転率を上げるためには仕方がないですね。
落ち着いた雰囲気の室内
ブラウンを基調とした、落ち着きのあるカフェテリア内部。トンネル内部で撮影したため夜っぽい雰囲気に。地上の隠れ家的レストランクオリティの施設と設備。この体験は絶対すべきでしょう。
左側にカウンター席、右側にテーブル席。奥はキッチン。これで電車の中ですよ!大変素晴らしい設計です。
キッチンの様子(撮影許可取得済)。地上と同等の厨房設備。今回いただいたパスタもちゃんと茹でてました。あえて"見せる"設計の厨房のため、レトルトや冷凍ではない本物の調理をしている感が十分に伝わってきました。
今回は海が眺められるカウンター席。席位置は事前に決められており、指定された場所に着席するスタイル。
椅子の柔らかさ
★★☆☆☆
ご当地食材の料理
沿線のご当地名物を使用した料理が提供されました。
メインの料理だけでなく、ドリンク・デザート類もご当地メニューが目白押し。
クラフトビールの反射炉ビヤ・早雲(650円)。アメリカ産のホップ由来の大変フルーティーなクラフトビール。確かにビールですが、風味が大変賑やかで美味しい!クラフトビールの世界はおもしろいですね。
醸造所は静岡県の伊豆の国市。ご当地成分補給です。
<伊豆山魚久>の鯖と小松菜のリングイネ~カラスミ添え~(1450円)。パンと観音温泉水付き。海を眺めながらのランチライム。食器は地上クオリティ。揺れは大きいものの、食事に支障をきたすレベルではないため問題なし。食器はしっかりと温められており、細かな所も気配りがされていました。
メインの鯖と小松菜のリングイネ。監修は「リストランテ ホンダ」の本田哲也氏。ミシュラン一つ星を13回(記事執筆時)受賞した凄腕な小田原出身のシェフ。肉厚の鯖からは甘みのある脂身が噛む度に溢れ出し食べ応え満点。厚さは実家で食べる鯖の1.5倍と肉厚。パスタはもっちり系で長さは程よい短さで、列車内でも食べやすかったです。全体的にまろやか系の味付け。鯖の生臭さが麺まで伝搬しておらず、麺とソースそのものの味わいを楽しむことができました。パンも温かく柔らかく、美味しかったです。
同行者の注文した伊豆産フレッシュトマトのスパゲッティ。揺れる電車内ですが大変綺麗に盛り付けられており、視覚だけでも美味しさが伝わってきました。味は美味しかったとのことです。
サフィール踊り子オリジナルの伊豆産イチゴとマスカルポーネジェラートのデザート(600円)。提供タイミングは食事中・食後の2択から選択することができました。チーズの奥深さとイチゴの酸味がベストマッチ。チーズはどこか、バニラの濃厚さに似た風味を演出。固さもちょうど良く、シンカンセンスゴイカタイアイス状態ではありませんでした。
ジェラテリア サンティ製造のサフィール踊り子オリジナルのジェラート。オリジナルのため、HPを見ても市販はしてなさそうです。是非、いただきましょう。
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あっという間の2時間29分
正直、体感時間10分間の鉄道旅でした。
時間を意識する暇がないほど快適で、楽しく、美味しく、素晴らしく。
JR東日本は素晴らしい列車を作り上げてくれました。
車内散策
最前部。最後部はガラス張りのため運転台を眺めることができます。これは最後部からの景色。操作は見れませんが、流れる緑の木々の車窓はずっと眺めていられました。
トイレは清潔感あり。手洗い場もスタイリッシュなデザイン。
伊豆半島ならではの車窓
遠くにうっすらと大島を確認。大きな窓から見える大きな海。景色が素晴らしい...
観音温泉の温泉水。まろやかな飲み心地で美味しかったです。こんな時こそひじ掛け部のサイドテーブルが大活躍。
天井の窓から差し込む日光。非常に開放感がありました。晴れた日にはきっと眩しいぐらいの日光がサンサンと差し込むことでしょう。
今回の運賃は合計9810円(乗車券:5850円、特急券2270円、グリーン券3580円)。航空ファンの筆者ですが、正直なところ今回の鉄道旅の方が通常のフライトよりも満足度は高かったです(笑)。約1万円でこの体験なら悪くないですね!
伊豆急下田駅に到着
E257系踊り子とE261系サフィール踊り子とのコラボ。E257系は長野県民的に特急あずさ時代からお世話になったため、再会でき嬉しかったです。こちらもまたいつか乗りたいところ。
改札側から。サフィールのスタイリッシュさが際立ちますね。E257系よりも広く感じたのは何故でしょう。設計の違いか。
ペリー艦隊来航の地、下田に到着。黒船感のあるデザインの改札がかわいいですね。改札通過時は気づかなかったので、これから訪問される方は是非、確認してみてください。
まとめ
そんな訳で、E261系サフィール踊り子にて東京から伊豆急下田まで乗車しました。
ゆとりのある車内と座席。絶滅危惧種なカフェテリア(食堂車)。
体感時間10分の、大変充実した素晴らしい鉄道旅となりました。
特に、カフェテリアでの食事は是非とも体験していただきたいところ。
地上クオリティの味、海を眺めながらの食事は一生の思い出となること間違いなしです!
評価
車内食
★★★★★(沿線の食材を活かしたメニュー。ミシュラン受賞歴のある本田シェフのパスタは美味しかった)
シート
★★★★☆(拳4個分の足元広さ&ゆとりの座席幅。3列タイプのため全体的に広々としていて快適)
車両コンディション
★★★★★(新車の匂いが残る新しく清潔感のある車内)
車内スタッフ
★★★★★(終始親切丁寧な観光気分を盛り上げてくれるサービスだった)
エンターテイメント
★★★★☆(海沿いの車窓が綺麗。最前・最後部は運転台を眺められるガラス張りの設計)
時間の正確さ
★★★★★(定刻)
総評
★★★★★
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