長野県内を日数限定で運行するリゾートビューふるさと。
わずかな追加料金で気軽に利用できる観光用列車。観光客向けに特化した列車は車両も旅の中身も素晴らしいものでした。
そんな訳で今回は、長野駅から松本駅までのリゾートビューふるさとの乗車記です。
出発地の長野駅に停車中のリゾートビューふるさと。長野発南小谷行き。毎日運行ではないので運行日に注意。
乗車データ
・列車名:リゾートビューふるさと (JR東日本)
・乗車日:2017年3月
・型式:HB-E300系
・路線:長野=松本
・乗車時間:1時間23分 (発9:04⇒着10:27)
・座席:1号車10番A
スポンサーリンク
目次
観光客用ハイブリッド気動車
今回利用した車両はハイブリッド気動車のHB-E300系。
ディーゼルエンジンで発電し、リチウムイオンバッテリーに蓄電された電力とともに駆動力を生み出しています。
ディーゼルエンジンは単に発電用のみに使用し、駆動力はすべて電力にて賄われています。
よって、パンタグラフは装備していません。先進的な車両という訳です。
今回乗車したHB-E300系。リゾートビューふるさとでデビューして以降、秋田のリゾートしらかみ、青森のリゾートあすなろ等でも同型車両が使用されるようになりました。程よいサイズ感と観光客向けに特化した車内がぴったりなのでしょう。
車内モニターにて放送されているハイブリッドシステムの紹介。ディーゼルエンジンは発電だけに使用し、駆動はすべて電力にて行われます。
特急あずさ以上に広い座席
座席の広さが素晴らしかったです。特急あずさや特急しなの以上の広さ。
全席指定席の本列車。出発日の当日に駅で指定しました。
長野から松本の場合、座席指定料金は520円でした。
リゾートビューふるさとの座席表と自席の位置(引用:JR東日本 HP)。今回は姨捨の景色が見たかったため左側のA席を指定。2両編成の計78席仕様。2-2配置なのは特急列車と変わりませんね。
長野から松本までの座席指定料金は520円でした。利用の際は通常運賃に追加で指定代が必要となります。
リゾートビューふるさとの車内(姨捨停車時に撮影)。2-2配置。木目調の床がいい味出してます。大きな窓から大量に注ぐ外光のおかげで車内は明るく開放的です。
こちらが今回の座席の10A。文句なしの足元スペースが確保されています。1席1席に窓が割り当てられているため、窓枠によって景色が遮られることがありません。
文句なしの足元広さ。肉厚の座席は座り心地もGood.例えるなら、E257系に似た座り心地。リクライニング時のことも考慮して、窓枠が背もたれ後部までズレています。
座席間隔比較。E353系特急あずさよりも広い足元スペースが確保されています。広すぎて逆に落ち着かないかもしれません(笑)。
座席は通路から一段高い位置に設置されています。景色が高い位置から見やすいように考慮された設計。
文句なしの足元の広さ。握り拳5個分の足元間隔。広すぎて逆にテーブルまで手が届きにくいです。
座り心地レビュー
E257系に似た座り心地。頭部はクッション感あり。握り拳5個分の足元スペース。テーブルは2つ。握り拳5個分の足元広さ。
座席の柔らかさ
★★★☆☆
背もたれの大型テーブルとひじ掛けの小型テーブルの2つが装備されています。文句なしのテーブルの充実度合い。お好きな方をどうぞ。
スポンサーリンク
観光案内や車内販売ありの1時間23分
長野から松本まで所々で観光案内のアナウンスがありました。
また、姨捨駅では約15分の途中下車タイムがあるため、景色を思う存分堪能できます。
短い区間ではありますが、観光気分を体験することができました。
前方のライブ車窓映像
車内のモニターにてライブ車窓映像が放送されました。
こんな体験も観光列車ならでは。
車内モニターに映し出された生放送の前方の車窓。いや~、これが見ていて飽きない訳です。
姨捨駅にて15分停車
姨捨駅にて約15分の停車時間が確保されています。
景色を眺めたり、車両を堪能したり。
記念撮影用のプレートも用意されているので是非。
姨捨へ向けて坂を上昇中。大きな窓からは景色を思う存分に楽しむことができます。
姨捨駅のスイッチバックの様子。左側奥の線路までバックで侵入します。全国的にレアな体験なので、是非展望スペースにて光景を目に焼き付けてください。
姨捨駅に到着したふるさと。約15分間の自由時間が確保されています。景色を見るも良し、車内散策するも良し。
姨捨駅にて。奥には豪華寝台列車利用客専用ラウンジの「更科の月」。姨捨の景色を眺めながら食事を楽しめるみたいです。自分にとっては縁のない世界ですね。多分。
姨捨駅に来たんだぞ感。看板も地味にスイッチバック感がありました。日本三大車窓の姨捨。この日は天気も良く、奥の景色まで眺めることができました。
日本三大車窓の姨捨。善光寺平が一面に広がっていました。長野県、いいところでしょう??
他の日本三大車窓は以下。残念ながら根室は廃線みたいです。
・根室本線の狩勝峠越え (廃線)
・肥薩線の矢岳越え
展望室にも座席あり
先頭と最後部車両に設置されている展望室。
こちらにも簡易的な座席が設置されているため、座りながら景色を楽しむことができます。
展望室。簡易的な座席が2箇所に設置されていました。座り心地は微妙です。
別アングルから。非常に大きな窓が設置されているため、着席せずとも景色を楽しめます。
展望室の座席(運転席側)の足元広さ。膝が壁に接触しました。長時間の着席には不向きです。
記念スタンプコーナー
展望室の先頭車両側には記念スタンプコーナーが設置されていました。
車内販売はご当地名物
ご当地のスイーツやドリンクを用意した車内販売。
せっかくなので今回は信玄餅アイスとハサイダーを購入。
やはり、車内で食べ・飲むものは不思議と普段よりも美味しく感じますね。
車内販売メニュー。甲信地方のご当地品もありました。オリジナルグッズもあるので乗車記念に購入されてみては??
せっかくなので信玄餅アイスとハサイダーを購入。信玄餅アイスはシンカンセンスゴイカタイアイスレベルの固さではなく、ちょうど良い柔らかさで提供されました。お餅の食感がDelicious!!ハサイダーは黒部ダムの破砕帯の天然水を使用したサイダー。甘さ控えめで美味しかったです。
奈良井川と梓川の合流地点
減速とともに車内アナウンスにて奈良井川と梓川の合流地点に関する案内がありました。
わざわざ減速して案内してくれる辺り、さすが観光列車といったところでしょうか。
心配りがGood!!
梓川(奥)と奈良井川(左)の合流地点。梓川は槍ヶ岳から上高地を経由してここまで流れてきます。上高地の典型的な橋(河童橋)の下を流れているあの川です。ここで合流した後は右側へ流れ、日本海まで長い旅を続けます。
あっという間に松本へ
長野から松本まで体感時間では30分くらいでした。
やはり、観光列車という非日常感のおかげでしょうか。
普段の普通列車や特急しなのよりも時間が掛っているのに、あっという間に感じた旅でした。
松本駅に定刻にて到着。HB-E300系、313系、211系の3種盛り。将来的にこんな光景もレアになることでしょう。E233系の長野への転属説が気になる今日この頃。ちょっと期待しています。
RESORT HYBRID TRAINの主張が素晴らしい側面デザイン。緑を主とした色合いが長野県にぴったりですね。
まとめ
そんな訳で、リゾートビューふるさとにて長野から松本まで乗ってきました。
安価な追加料金で使用できる本列車。今回は520円の追加でした。
素晴らしい足元広さの座席、観光案内のアナウンス、姨捨の自由時間、ご当地名物の車内販売など。
景色を楽しむことに特化した素晴らしい列車だと思います。さすが、リゾートビューの名は伊達ではありません。
今回は松本への移動のついでにつまみ食い的に利用しましたが、次回はフル路線で乗ってみたいですね。
評価
車内食
★★★★☆(甲信地方のご当地名物の車内販売。ハサイダー、信玄餅アイスが美味しかった)
シート
★★★★☆(とにかく広い座席間隔。テーブルも2つ。背もたれの厚さもGoodな布製座席)
車両コンディション
★★★★★(新車の匂いが残る新しく清潔感のある車内)
車内スタッフ
★★★★★(終始親切丁寧な観光気分を盛り上げてくれるサービスだった)
エンターテイメント
★★★★☆(車窓は最高のエンターテイメント。姨捨駅にて自由時間あり)
時間の正確さ
★★★★★(定刻)
総評
★★★★☆
「善光寺のお膝元、長野駅」、「北アルプスの岳都、松本駅」
アナウンスも一味違ったフレーズでした。いや~、こういった表現はわかりやすくていいですね。
-
リゾートビューふるさとの座席の広さ・快適さ・おすすめ席まとめ
長野県内を期日限定で運行するリゾートビューふるさと。 お手頃な追加運賃で、豪華な座席に着席しながら車窓を楽しめる、大変素晴らしい列車です ...