まったり空の旅

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ANA 搭乗レビュー

【搭乗記】ANAの78Mプレミアムクラスの座席はビジネスクラス!

投稿日:2022年1月10日 更新日:

 

コロナ禍によって当たり前になった国際線機材の国内線運用。

国際線需要の減少とPWエンジン装備のB777運航停止の影響もあり、今日も「78M」は主要幹線にて活躍中です。

そんな訳で今回は、ANAの中距離国際線仕様のB787-8型機(78M)にて羽田から福岡までフライトしました

 

佐賀行きの欠航表示の電光掲示板
本来は7:15の佐賀行きに搭乗予定でしたが、需要減少の影響で搭乗1ヵ月前に欠航に。無料で福岡に振替えてもらいました。佐賀行きA320neoのプレミアムクラスから、B787-8のプレミアムへ機材変更...コロナ禍の遠征難易度の高さを実感。

2年ぶりのフライトでしたが、相変わらず機材に関しての運がありませんね。なぜでしょう。

 

搭乗DATA
航空会社:ANA
搭乗日:2021/12
路線:羽田 ⇒
 福岡
飛行時間:2
時間5分 (発7:05⇒着9:10)
便名:NH1075
座席:4K プレミアムクラス・窓側 (国際線機材ビジネスクラス)
機材:B787-8 (JA832A) 機齢7年4ヵ月 

 

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中距離国際線仕様の78M

コロナ禍による国際線需要の減少と、PW製エンジン装備のB777の運航停止。

これらの問題により、国内線に投入されることとなった国際線仕様のB787-8。

コードは「78M」。ビジネスクラスはプレミアムクラスとして販売されています。

 

搭乗機のB787-8(JA832A)
今回の搭乗機のB787-8(JA832A)。コロナ禍前は中距離国際線にて活躍。ピンチヒッター的な意味もあり、現在は国内線にて活躍中。座席に関しては国際線仕様のままなので、プレミアムクラス(ビジネス)と普通席(エコノミー)は全席個人モニター付き。乗り得機材という訳です。

 

 

2クラス240席仕様の機内

プレミアムクラス42席・普通席198席の計240席仕様。

プレミアムクラスは元ビジネスクラスのANA BUSINESS CRADLE。

国内線仕様のB787-8がPクラス12席・普通席323席の計335席仕様なので、同じB787-8でも95席少ない状態で投入されています。(国内線仕様のB767の270席よりも少ない座席数...)

 

座席表と自席の位置
ANAのB787-8型機の座席表と自席の位置(引用:ANA HP)。今回はプレミアムクラス(ビジネスクラス)の4Kを指定。国内線仕様の78PよりもPクラスが30席増席しているため、予約の競争倍率は低いと思われます。

 

今回の4Kの座席
今回の座席の4K。国際線では「ANA BUSINESS CRADLE」、国内線ではプレミアムクラス。最近主流のフルフラット式ではないライフラット式。シェル型のため、最大角度でリクライニングした場合でも後席に迷惑が掛りません。ANAのコーポレートカラーでもある青を基調としたシンプルかつ洗練された色合い。布の幅広シートが上級クラスの特権である、確かな座り心地を保証。

 

横から見たプレミアムクラスの座席
横から。シートピッチは約59インチ。窓2.5個分の余裕のスペース。隣席とのパーテーション面積は広く、着席時のプライベート感を損ねません。B787の特徴である大きな窓のおかげで、明るく開放感のある空間に仕上がっていました。

 

後方から見た座席
12.1インチのタッチパネル式の個人モニターも装備。最近導入された新国内線仕様のB787-9では普通席ですら13.3インチのモニターを装備するため、少々見劣りしてしまいました。画面までの距離が遠いため、内容が若干見にくいといった点がマイナイスポイント。贅沢な悩みですが。

 

 

文句なしの足元広さ

足元はビジネスクラスの名に恥じない、文句なしの素晴らしい広さ。

逆に、モニター・シートポケットまで距離があるため、前屈しないと届きません。

 

座席の足元の広さ
着席時の足元広さ(身長170cm後半)。シートピッチは約59インチ。アジア等の中距離国際線用の機材。国内線では十分すぎる快適さでした。

 

着席時の握り拳1個分の座席幅
握り拳1個分の座席幅(到着前に撮影)。足元広さ・幅ともに十分なスペースが確保されていました。

 

座り心地レビュー

文句なしの足元広さ。座席幅は左右握り拳1個分。ホールド感ややあり。布生地。布生地の背もたれのため、着席中は革のように滑ることがない。ヘッドレストは反発系、左右ホールド可能。ひじ掛けは細め。リクライニング時に足先が接触。最大角度へのリクライニング&通常状態への戻り時間は17秒。ゆりかごスタイルは良く寝れそう。

座席の柔らかさ
★★☆☆☆

 

 

ほどよいサイズ感のモニターと十分な収納スペース

先述したように、モニターサイズは最新座席と比較して少々控えめ。

コンテンツに関しては国内路線の飛行時間では十分でした。

また、収納に関してはちょうどいい場所にちょうどいいスペースが確保されており、小物の収納で重宝しました。

 

エンタメコンテンツ一覧
12.1インチの個人モニター。タッチパネル対応でしたが、動作はわずかにもっさり系。実使用上は問題のないレベル。最新座席のサイズ感と比較すると見劣りしていまいますが、大きければいいってものではないのでOKです。画面まで距離が遠いため、手元のコントローラーを使用した方が楽かと。

 

収録コンテンツも国内線路線の飛行時間では十分。最新映像作品や、鬼滅コラボのためか鬼滅の刃が収録されていました。今回は、終始フライトマップを満喫したため出番はありませんでした。画面まで遠いため迫力はいまいち。

 

座席の各種コンセント
座席サイドの小物入れと各種電源ソケット。この小物入れが意外と使いやすかったです。コンデジやスマホの収納で大活躍!電動式のシート操作用ボタンも。

 

オーディオコントローラー
コントローラーも装備。少々時代を感じる設計ですが、使用上は問題ありませんでした。オレンジの色がレトロでいいですね。

 

 

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プチ国際線気分の2時間のフライト

福岡までは約2時間のフライト。

食事とドリンクのサービスと素晴らしい座席のおかげで、プチ国際線なフライトを体験できました。

 

都会と信州の山々の景色

定刻にてドアクローズ。

C滑走路を離陸すると、右手には東京の市街地と信州の山々の景色が。

長野県民の筆者にとって、ちょっとした遊覧飛行気分でした。

 

羽田空港離陸時の景色
RR Trent 1000のクーン音とブーン音をミックスした音を響かせながらC滑走路から離陸。「西行きはD滑走路」の常識は過去のもの。時間帯にもよりますが、最近はC滑走路から西行き便を離陸させることもあるんですね。コロナ禍で情報のアップデートが全然できていませんでした。

 

東京上空の景色
首都圏上空。RR Trent 1000の高い静粛性のエンジン音は機内の我々だけでなく、地上の住民にも恩恵をもたらします。水平飛行中は程良いブーンと風切り音が機内に響いていました。

 

上空から見た諏訪地域
羽田離陸から約15分。長野県・諏訪地域の景色が。右のアーク状の山岳は八ヶ岳連峰、左奥の湖は諏訪湖、中央奥は長野方面。長野県民ならほぼ全員歌える県歌"信濃の国"のフレーズ、「♪松本~伊那佐久~善光寺」な光景を一気に満喫できました。

このフライトのために3時間掛けて長野から東京まで出てきた前日。今日はたったの15分で逆戻り。飛行機の速さに驚かされることになろうとは。

 

機内から見た長野県の景色とエンジン
エンジンとともに。右側の光線は微妙...なお、左側は逆光。

 

 

陶器でいただく朝食

離陸から約30分後、名古屋上空にて朝食がスタート。

メインはサンドイッチ・ロールサンド等のパン系。

陶器でいただく食事は、単純ではありますがプレミアム感がありました。

 

朝食の機内食とドリンク
朝食。パン系2種類、付け合わせ2種類。量は少々控えめ。飲み物はスパークリングワインをいただきました。路線によってはお弁当箱スタイルの機内食ですが、今回は陶器による本格的なサービス。JALに遅れを取った陶器によるサービスですが、やはりこっちの方がプレミアム感があっていいですね。機体重量は増しますが...

料理一覧
・スモークダックのスライス うずらの煮卵
・チキンと梅の野菜サンドイッチ
・スモークサーモントラウト ワサビ菜とポテトのサラダ
・ツナのホワイトロールサンド
・メロン、パイナップル、グレープフルーツ
・カボチャとトマト、ベーコン風味のスープ

 

機内食の拡大画像
鴨は程よい柔らかさと甘さでスモークの風味がGood。ナスと刻みきゅうりでさっぱりと。一口サイズのサンドイッチはチキンの存在感があり、まさにこのサンド界の主役級。ワサビ菜とスモークサーモンのコラボが和洋折衷で面白く、美味しい!下層はポテトサラダが鎮座。ホワイトロールサンドは生地の密度が高く、しっかり食べ応えがありました。

 

機内食で提供されたスパークリングワイン
スパークリングワインはVEUVE-OLIVIER。JALではシャンパンですが、ANAはスパークリングワインのみ。批評する方もいらっしゃいますが、個人的には両者の味の違いがわからないので美味しければOKです。

信州そばと普通のそばの味の違いがわかりますか??長野県民ですが、正直な所わかりません。ワインの世界もきっとそんな感じなのでしょう。知りませんが。

 

食後の紅茶
食後の紅茶は安定の美味しさ。特筆すべき点はコップの口当たりの良さ。一般的な紙コップよりもフチが丸めに作られており、触感が優しかったです。カタール航空の紙コップも同様の設計でした。

 

食後の紅茶と機内の様子
THE・プレミアムクラス感。Aコンには11名の乗客のみ(搭乗率46%)。CAさんにも余裕が感じられ、至れり尽くせりのおもてなしのサービスを受けることができました。

 

 

ゆりかごのような寝心地

食事を終え、いざぁリクライニング大会へ。

ANA BUSINESS CRADLEの名の通り、ゆりかごの寝心地でした。

なお、足先の窮屈感はマイナスポイント。

 

横から見たリクライニング時の座席
最大角度でのリクライニング時の状態。通路側席がリクライニングした場合、窓側席から通路へ出る際は苦労するかもしれません。

最大角度まで約17秒。初期位置までも約17秒。ボタン一つで楽々動作な電動式。

 

最大角度でリクライニングした座席
まさにゆりかご。幼少期を思い出させてくれました。実家のような安心感。フルフラットにはなりませんが、数時間の中距離国際線なら十分な快適さかと思われます。国内線なら十分過ぎますが。

 

リクライニング時の様子
リクライニング時の様子。文句なしの快適さ。背もたれは少々固め。唯一の欠点は足先のスペース。長さ方向に余裕がないため、ちょっと足をずらすとボックスに指が接触してしまいました。

 

着席時の視界
リクライニング時の視界。広い面積のパーテーションのおかげで隣席の視線はまったく気になりません。

 

個別空調と読書灯
寝た時の視界。個別空調と読書灯。座席の頭部横にも読書灯があるため、こちらの出番は少なめかと。

 

 

国際線機材らしさ、B787らしさ、コロナ禍らしさ

2年ぶりのフライト。732日ぶり。

超感動する訳でもなく、しかし、皆無な訳でもなく。

人生におけるフライトという名の欠けたピースが見つかり、いつも通りの日常が返ってきたんだなぁといった感覚でした。

 

B787らしさ

水平飛行中のエンジンと翼の景色
雲の絨毯のさらに上を飛ぶB787。B787-8(78M)の機窓は4A or 4Kがおすすめ。今回は光線が微妙でしたが...

 

電子シェードの光の透過率比較
電子シェードで遊んでみたり。電子シェードは応答時間が遅く、完全に遮光するまで1~2分程度必要とします。B777Xでは応答性が高いタイプが適用されるとのことですが、やはり利便性は物理式には敵いません。

 

すり減ったB787の電子シェードノボタン
電子シェード操作用のボタン。機齢7年目の本機、ボタンにも劣化が見られました。ちょっとこれは...ボーイングの設計陣もこの事象は想定外だったのではないでしょうか。運用の面でも、ここだけ部品交換となるとかなり大変そう。コスト面ではライバルであるA350の物理式シェードの方が優れているのでは?と思ったり。

 

 

シートポケット収納物

シートポケット収納物
国際線機材ですが、内容物は一般的なプレミアムクラスと同様。テーブルが広く、全部並べても綺麗に収まりました。

 

 

2年ぶりのフライト

サイドテーブルに置かれたコーラ
〆はペプシコーラ。JALはコカコーラ、ANAはペプシコーラが提供されます。やはり、氷入りで提供されると美味しさが倍増しますよね。このカップも先述したものと同様に、口当たりが良かったです。

 

CAさんからいただいたメッセージカード
CAさんからメッセージカードをいただきました。2年(732日)ぶりのフライトにふさわしい、素晴らしい記念品・思い出に。こうしたサービスは本当に嬉しいですね。搭乗率が少ないフライトの特権とも言えます。

コロナ禍に対する危機感のレベルは人それぞれだと強く感じました。緊急事態宣言だろうが飛ぶ人、まったく飛ばない人、別の方法で移動する人等等。結論、感染しなければ良い訳ですが、私はリスクを冒してまで行動する気にはなれませんでした。落ち着いたら乗って応援しますのでお許しを...

 

 

国際線機材らしさ

機内のバーコーナー
本職の国際線運航時はこのバーコーナーにドリンク類が並ぶことでしょう。残念ながら、国内線ではもぬけの殻。逆にこの景色は新鮮かもしれません。

 

 

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あっという間に福岡へ到着

定刻にて福岡空港に到着。

体感時間30分程度の充実度の高いフライトでした。

 

リニューアル後初訪問の福岡へ

福岡空港着陸時の外の景色
博多湾を眺めながらRUNWAY16へのアプローチ。Trent 1000は終始心地の良い音色を響かせてくれました。このエンジンの不具合問題によるB787の運航停止によって懲りたANAは、GEのGEnx装備機を導入することに。B787で2種のエンジンが混在するカオスなANAフリートから目が離せません。

A320neo・A321neoのPW1100GやB787のTrent 1000など、エンジンに関して外れくじを引きがちなANA。エンジン次第でエアラインの経営を左右するといっても過言でない程、選定は重要という訳です。

 

機内から見た福岡空港の展望デッキ
新設された福岡空港の展望デッキを機内から。搭乗機は滑走路側の誘導路だったため遠く感じましたが、ターミナル側だともっと迫力があるものと思われます。

 

 

プレミアムクラス全景

B787-8(78M)のプレミアムクラスの機内
プレミアムクラス(Aコン)の全景。2-2-2の配置。Aコン24席、Bコン18席の計42席の設定。

 

B787-8(78M)のプレミアムクラスの機内
全体的にゆとりを感じる機内。この便ではAコンに11名のみ、中央席は最前列の1Dしか利用客がいませんでした。

 

搭乗機のB787-8(JA832A)
展望デッキから搭乗機をお見送り。外観上、国内線仕様機との大きな違いはありません。いつまで続くかわからないコロナ禍。「乗れる機材は乗れるうちに」をモットーに今年も飛んでいきたいと思います。

 

 

フライトルート


今回の飛行ルートとデータ。約380kts、約40,000ft。揺れもなく、非常に穏やかなフライトでした。

 

 

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まとめ

そんな訳で、ANAの国際線仕様のB787-8(78M)で羽田から福岡までフライトしました。

やはり、ビジネスクラスの座席は大変素晴らしかったです。国内線では勿体ないレベル。

陶器の食器でいただく機内食も美味しく、ドリンクも3種類満喫でき、満足な朝食でした。

自身にとって2年ぶりのフライト。

超感動する訳でもなく、まったく感動しない訳でもない。

人生のパズルにおいて欠けていたピースが1個元に戻り、ようやく通常の生活が帰ってきたんだなぁ感が強かったです。

乗り得機材の78M。機会があればまた利用したいですね。

 

評価

機内食
★★★★☆(陶器の食器にて提供されるサンドイッチ類は美味。飲み物もGood。量は控えめ)

シート
★★★★☆(ゆりかごスタイルのクレードル。元ビジネスクラス。リクライニング時の足先接触部が気になった)

機材コンディション
★★★★☆(機齢7年。翼上の塗装剥がれや、電子シェードの表面塗装の剥がれなど使用感あり)

機内スタッフ
★★★★★(親切丁寧笑顔のテキパキとしたサービス。搭乗率が低かったこともあり、手厚いサービスだった)

エンターテイメント
★★★★★(個人モニターはコンテンツ十分。機内Wi-Fi。エンジンの機窓と音色はオーケストラの特等席)

時間の正確さ
★★★★★(定刻)

総評
★★★★★

 

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