コロナ禍で明るいニュースが少ない航空業界。
JALやANAはシートや操縦桿といった廃品を販売するなど、マニア的にアツい物販を展開しています。
そんな中、FDAはファンブレードピンを発売。
せっかくなので、1本2万円と高価ではありますが購入してみました。
ファンブレードピンの購入画面(引用:FDA HP)。航空部品の廃品販売は今回がFDA初。第1弾はファンブレードピンを限定40本のみ販売。値段は20,000円と安くはありません。しかし、ファンブレードピンはかなりレアは廃品なので買って損はないと思います。
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機体に搭載されたCF34-8Eエンジン
今回のファンブレードピンが搭載されているFDAのE170・E175型機。
どちらもGEのCF34-8Eエンジンを2基装備します。
ファンブレードの取り付け方法がピン形式の本エンジン。
ファンとエンジン内部を固定するために今回のピンが用いられています。
真正面から見たE175。2基のCF34-8Eエンジンを装備。高速回転する最前列のファンブレードを強力に支えるのが今回のピンという訳です。
真横から見たE175。小さなエンジンですが、1基あたり約6tもの推力を発生させます。最大離陸重量36tの機体を動かすパワーが求められています。
CF34-8E。エンジン後部のギザギザしたシェブロンノズルによって低騒音化が実現。B787のGenXやTrent 1000にもカバーですが同様の形状が施されています。最新設計ではないCF34ですが、意外にも時代を先取りしているのかもしれません。
前から。今回購入したピンによって最前列のファンブレードが固定されています。ピンを差し込むだけなので不安に思う人も居るかと思いますが、安全に関する厳しい要求をクリアした設計なので問題はありません。むしろ、ピンの刺し抜きだけでファンブレードの交換が出来るため、整備性は他のダブテール形状のエンジンよりも高いと言えます。
なお、長胴型のE190・E195搭載されるCF34-10ではダブテール形状の設計です。詳しい理由は不明ですが、ファンの大型化によってピン形状では固定が難しいと判断されたのでしょうか。詳しくはGEの設計の人に聞いてみてください。
購入したピンが到着
発売開始から30分後くらいに予約。スマホを操作する指に迷いはありませんでした。
到着は11月中旬。
S/Nは0007。40本限定だったので、結構若い番号が割り当てられました。
ピンの詳細(引用:FDA HP)。今回は廃品のピンにFDA独自のデザインがレーザー刻印されます。銀のベースに黒の刻印がかっこいい...
到着したピンと感謝状。展示用の桐の箱が高級感MAX。感謝状には実際にピンが刺さった状態の画像も。1エンジンあたり28本のピンを使用。1枚につき1本のピン。感慨深いものがありますね。
S/N0007の刻印とFDAのオリジナルデザイン。EMBRAER 175の刻印から、E170ではなくE175で使用されたものなのでしょうか。残念ながら、どの機体で使用されたものか判別できる情報はありません。ずっしりと重く、折れる気配のない本体。素材はインコネル718(ニッケルークロム合金)。航空機・ロケット部品や原子炉部品など過酷な環境で使用されています。
習字の文鎮レベルでずっしり感があります。空洞ですが、重量はそこそこあります。
ピンの刻印部。こちらには部品本来のS/N:22の刻印が。その他、部品情報と思しき数字群も。中央にはタップが切られていますが、用途は不明です。対応するネジを購入すれば連結できるかもしれません。
廃品の再利用を防ぐために、外周の一部が直線状に研磨されています。廃品あるあるですね。
第2弾の発売
今回購入した第1弾のピンは発売から3時間で完売。
合計40本と限られた数だったこともあり、一瞬で売り切れになりました。
そんなアツいファンの声が届き、第2弾の発売が決定しました。
第2弾のファンブレードピンの詳細(引用:FDA HP)。奥の銀色が第1弾、手前の黒色が第2弾。2nd Genバージョンは第1弾の3倍の120セットを販売。こちらの方が入手難易度は低いと思われます。
銀か黒か。好みが分かれそうですね。黒の締まった感じがgood.
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まとめ
そんな訳で、FDAのファンブレードピンを購入してみました。
今回のCF34-8のようなピンホール形式で固定するファンブレードはレア。
ただでさえレアなエンジンを固定するファンブレードピンは、世界的にみても入手難易度はかなり高いと思われます。
(ブレード等のエンジン部品は数多く出品されていますが...)
貴重な航空部品の廃品販売といった、素晴らしい企画をありがとうございました。
欲を言えばCF34-8Eのファンブレードも販売してくれませんかね...翼だけに。