琉球エアコミューター(RAC)がQ100・Q300の後継として導入したQ400CC。
RACが世界で初めて貨客混載のQ400を導入しました。プロペラ機ですが、足元の広さは国内線最大級です。
そんな訳で今回は、貨客混載型のQ400CCの搭乗記。琉球エアコミューターで石垣から日本最西端の与那国島までフライトしました。
今回は石垣から与那国まで35分の飛行(引用:Google map)。与那国島は日本最西端の島。Dr.コトー診療所のロケ地としても有名。
搭乗DATA
航空会社:琉球エアコミューター(RAC)
搭乗日:2018/09
路線:石垣⇒与那国
飛行時間:0時間35分 (発10:05⇒着10:40)
便名:RAC741
座席:13A エコノミー・窓側席
機材:Q400CC (JA83RC) 機齢1年8ヵ月
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目次
世界初導入の貨客混載型のQ400CC
Q400CCは従来のQ400の貨物室を2.5倍に拡張した、乗客と貨物の混載型機。
琉球エアコミューターがローンチカスタマーとなり、世界で初めてQ400CCを導入。従来のQ100とQ300の後継として2016年に運航開始しました。
Q400CCの"CC"はCargo・Combiの意味。与那国島特産のカジキマグロ等の海産物や旅行客の手荷物など、様々な需要に対応可能。
乗客数は従来のQ100(39席)とQ300(50席)と同等の50席。CAさん1人で乗務可能な席数としています。余裕のある席配置のため、足元が非常に広い!!
従来機のQ100とQ300。Q100は2017年、Q300は2018年に退役。Q100は垂直尾翼のシーサーの絵柄がかわいい機体でした。
後部が貨物区画となった貨客混載型のQ400CC。機体自体はQ400ですが、後部区画の非常口配置が若干異なります。RACが世界で初めて導入しました。
貨客混載機といえば、B747-400Mが有名ですね。
KLMやアシアナのM型が、後部胴体の貨物ドアを開閉させていた姿を見たことがある人もいるのでは??
ジャンボのコンビは客室から貨物区画へドアでアクセス可能ですが、Q400CCは不可能。
そのため、貨物室のニオイ等が客室に漏れ出ることはありません。
徒歩で機体へ
新石垣空港でプロペラ機に搭乗する際は、基本的に徒歩で機体まで移動します。
THE・南国感があって良い!!
いざぁ、最終目的地の与那国へ。東京→那覇→石垣→与那国の長い道のりでした。
今回の搭乗機、Q400CC(JA83RC)。機齢1年弱の新品。エプロンを徒歩にて移動する体験は、まるでプライベートジェットに乗るかのよう。沖縄の日差しがジリジリと肌に突き刺ささりました。
いざぁ機内へ。内蔵タラップを装備するため、地方空港でも運用が容易。タラップの幅は狭いが、それが逆にまた良い...
素晴らしい足元広さの座席
石垣から与那国までは約35分のショートフライト。
飛行時間自体は約20分。あっという間すぎて逆に物足りなかったですね。
ちなみに、石垣=与那国のフェリーの所要時間は約4時間。運賃は3550円(記事執筆時)。飛行機の運賃の半額といった感じですね。時間に余裕がある時は利用したいですが、週2便なのがネック...
今回の座席は後方窓側の13A。(引用:JAL HP)全席普通席の50席仕様でCAさん1人での乗務が可能。RACが以前保有していたQ300と同じ座席数。機体後部は貨物室。
ちなみに、Q400CCの座席は全席リクライニングできません。
今回の座席13A。JAL SKY NEXT準拠の黒革に深紅のシートベルト。全体的に柔らかめの座り心地が素晴らしい座席。
横から。窓2つ分のスペース感。足元の広さは普通席では国内最大級。シートピッチは約35インチで、スターフライヤーの約34インチよりも広い。ターボプロップ機でこの広さは大変素晴らしい!!
後方から。シートの基本設計は他社のQ400と同様ですが、生地が違います。窓2つ分のスペース感はクラスJと同様。スペースに関してはジェット機よりも快適かもしれません。全席リクライニング不可能ですが、その必要はないレベルの快適さです。
最後部の壁の奥側は貨物室。機内からのアクセスは不可。貨客混載機特有の機内設計。海産物等の特産品の輸送が多い本機ですが、貨物室のにおいが機内に漏れて来ることはありませんでした。
ちなみに、KLMのB747-400Mは機内から貨物室へアクセスが可能。
とあるマニアの方が、客室内のドアから貨物室を見学した体験をしていて少々羨ましいなぁと思ったり。
荷物棚はジェット機よりも小さめ。大きな荷物は本機自慢の後部貨物室へどうぞ。
Q400CCの貨物室のメリットは観光客にもあります。
サーフボードやダイビング用機材、自転車などの大型貨物も運ぶことができます。
従来のQ100では難しかった輸送力問題もQ400CCは解決しました。
握り拳2個分の足元広さ
足元広さは握り拳2個分。エコノミークラスでここまで広い足元は筆者初体験でした。
シートピッチは約35インチ。大手の普通席が約31インチ、広い足元間隔の座席を売りにしているSFJでも約34インチ。しかもターボプロップ機です。ジェット機ではありません。
たったの35分のフライトでしたが、正直な所、このまま欧米まで飛んでもらいたいレベルで快適な座席でした(笑)。
文句なしの足元広さ。いや、逆に広すぎて違和感があります(笑)。非常口座席ではなく、普通席でもこの広さなのです。プレミアムエコノミー or クラスJレベルの広さ。
握り拳2個分の足元広さ。シートピッチは約35インチ。広すぎます。本当に素晴らしい!!!シートポケットまで遠すぎて、伸ばす腕が疲れてしまいました(褒め言葉)。
座り心地レビュー
背もたれのホールド感ややあり、シート幅は普通、握り拳2個分の足元広さ、ヘッドレストはふかふか、全体的に柔らかめ。
座席の柔らかさ
★★★★☆
壁側の出っ張りが少々邪魔
世の中100点満点は存在しません。本機の欠点を1つだけ紹介します。
それは壁の出っ張り。パネルが機内側に湾曲しているのですが、特に足元でそれが大きくなってしまうのです。
壁の出っ張りが足元を邪魔するため、着席の際に違和感がありました。
グレー色の壁の出っ張り。これが少々邪魔でした。足元広さは合格ですが、壁の出っ張りはマイナスポイント。機体設計上仕方ありませんが...
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約20分の短い飛行時間
10:05、新石垣空港を離陸。
10:28、与那国空港に着陸。23分間の飛行でした。
低い高度を飛行するため、景色も綺麗に見えました。ちょっとした遊覧飛行機分です。
正直、あっという間過ぎて、逆に物足りなかったですが。
RWY04から離陸。加速時のGが強めでした。これぞ、ターボプロップ機感。エメラルドグリーンの海に別れを告げた。
大きく左旋回して与那国島へ。窓の真横にはエンジンの排気口。障害物のない景色を希望するのであれば、機体前方付近の座席が良いかもしれません。
ジェット機に負けない機内装備
プロペラ機といえども、機内装備はジェット機と変わりありません。
機体サイズに合わせてコンパクト化されつつも、十分な機能が備わっていました。
各種サイン灯・個別空調・読書灯・CAさん呼び出しボタン。十分ですね。
客室装備一覧。ジェット機と同等の装備あり。個人的に、個別空調は嬉しい装備の1つ。1点気になった点は、ベルトサイン音の音量でしょうか。音量、なぜか大きめでした。
機内のLED照明。明るい機内でした。さすがに、B787のような多彩な色演出には対応していません。
RACらしさ感じるフライト
RACオリジナル扇子の機内販売や離島マップなど、RACらしさを感じるフライトでした。
特に扇子は引退したQ100のイメージカラー模様の特別仕様。このような販売もRACだけではないでしょうか。
Q400CCの安全のしおり。世界的にまだまだレアなCCタイプ。
手作りの離島マップ。島民数・島案内などの情報量が多く、今後の遠征先を決める際にも利用できる非常に有益なマップ。今回の与那国島は1543人の人口。到着前に事前情報を入手できるのは嬉しいですね。
RACオリジナル扇子の機内販売。引退したQ100のイメージカラー入り。扇子の他にも、琉球ガラスのコースターや味噌・黒糖クッキーの販売もありました(裏面)。
空から眺める離島
石垣を発つと、途中、小浜島・西表島の傍を飛行。
飛行距離が短いこともあり、飛行高度も低め。そのため、上空から見える島々もくっきりと確認できました。
小浜島・西表島の付近を通過したため、気分はちょっとした遊覧飛行。
飛行時間が短いため、それ以外の景色は特に印象に残っていません。
束の間の水平飛行。画像中央はドラマ「ちゅらさん」のロケ地の小浜島。右の大きな島は西表島。着陸まであと15分。あっという間でした。
機内の様子。搭乗率は70%程度。天井高さは低めですが首を傾ける必要はなかったです。あと、12番の非常口座席は公式HP上は窓なし座席とのことですが、一応窓はあります。位置はズレてますが...
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与那国島の方言のあいさつ
RACらしさ感じる点がもう1つあります。
それが、与那国島の方言でのアナウンスです。
与那国空港に着陸すると、CAさんから方言で挨拶のアナウンスがありました。やはり、このような粋なサービスっていいですよね。地方密着型のエアライン、大好きです。
いよいよ与那国島にファイナルアプローチ。真っ青な海がお出迎え。
無事、2000mの滑走路に余裕の着陸。ギアの構造がしっかりと確認できました。ちなみに、DHC-8シリーズは離陸時にタイヤが回転しながらボックスに収納されるため、少々ドキドキします(笑)。
機内全景。2-2配席の計50席仕様。機内は明るく、従来機のような蛍光灯の薄暗いイメージを上書きしてくれました。
出入口付近にはちょっとしたテーブルが。余裕ある機内設計のおかげですね。
与那国島のターミナルビルへは徒歩にて移動。立入禁止ゾーンのロープ設置もありませんでした。この自由な感じ、離島感MAX。
ターンテーブルも非常にコンパクト。自分の荷物が寂しく流れていた。画像右側の壁にはDr.コトー診療所のポスターが貼られていました。ドラマ収録時は数多くのスタッフがこの島を訪れたことでしょう。
空港内の様子(後ほど撮影)。到着時には自衛隊員の方も出迎えに来ていました。与那国駐屯地が開設されたため、隊員や家族の移動にも重宝しているものと思われます。
まとめ
そんな訳で、RACのQ400CCで石垣から与那国までフライトしました。
貨客混載機のQ400CC。世界的にレアな機種への搭乗となりました。
今回、特に印象的だったのが座席の足元広さ。シートピッチ約35インチの座席は、国内線普通席の中で最大級の広さ。ターボプロップ機でこの広さは反則です(笑)。本州までフライトしても苦痛に感じることのなさそうな、素晴らしい座席でした。
RACオリジナルの機内販売や与那国島の方言での機内アナウンスなど、RACらしさを存分に感じることができたフライトでした。
是非とも、また搭乗したいです!!
評価
機内食
----------(未評価)
シート
★★★★☆(握り拳2個分の足元広さ。広すぎる!!座り心地も良い)
機材コンディション
★★★★★(機齢1年。新しく綺麗な機内だったが、機外の窓の汚れが少々気になった)
機内スタッフ
★★★★★(1名乗務だったがテキパキとサービスしていた。方言のあいさつがGOOD!!)
エンターテイメント
★★★☆☆(機内誌のみ。機内から眺める離島は綺麗だった)
時間の正確さ
★★★★★(定刻)
総評
★★★★★
おまけ
与那国空港カウンターに残るJTAの旧旧ロゴ。かつてはJTAが就航していましたが、2013年に撤退してしまいました。その名残でしょうか。