ANAのスタアラ塗装のB777-300ER(JA731A)。
巷ではコロナ禍により本機が退役候補との噂もあります。B777-300ERが退役...すごい時代になったものです。
そんな訳で今回は、ANAのB777-300ERのビジネスクラスの座席だけの搭乗記。間合い運用のスタアラB77WのANA BUSINESS STAGGERED座席で伊丹から成田までフライトしました。
特別塗装機が並んだ伊丹空港(2018年)。B772のスタアラ塗装機・スーパードルフィンは引退してしまいましたね。
搭乗DATA
航空会社:ANA
搭乗日:2018/06
路線:伊丹⇒成田
飛行時間:1時間20分 (発7:45⇒着9:05)
便名:NH2176
座席:16K ビジネスクラス・窓側席
機材:B777-300ER (JA731A) 機齢13年8ヵ月
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目次
ANAのB777-300ER初号機に乗る
今回の搭乗機はANAが2004年9月に受領したB777-300ER(機体番号:JA731A)。
ANAのB77W初号機かつスターアライアンス特別塗装機。2004年11月に成田=上海にて初デビューしました。
ジャンボからフラッグシップの座を譲り受けた本機種。今度は追い出される番になってしまいました...
今回の搭乗機はB777-300ER(JA731A)。機齢13年。まさかのスタアラ特別塗装機。肝心な時に運がない筆者ですが、どうでもいい時は運が良いです。なぜでしょう。
スターアライアンス加盟会社は保有機の一定数をスタアラ塗装機にしなければいけないルールがあるとか。本機もその1機という訳です。
ビジネスクラスの座席だけ体験
間合い運用で伊丹=成田に投入されたB777-300ER。国内線でも国際線機材を体験できます。
スタッガードは未経験だったので、攻略すべくビジネスクラス領域を指定してみました。
今回の座席はビジネスクラスゾーン窓側の16K(引用:ANA HP)。1-2-1の配置ですが、窓側席でも窓から遠い席・近い席の2種類があるため、是非とも本当の窓側席を指定したいところ。
今回の座席16K。窓に近い窓側席。日本のエアラインで初採用のスタッガード配列。全席通路アクセス可能。サイドテーブルの広さが特徴的です。
座席幅はエコノミーと大きく変わりません。その代わりに、プライバシーに配慮された空間に仕上がっています。
JALのB777-300ER(SS7)のビジネスクラスは2-3-2の配置。ANAのような贅沢に広いサイドテーブルがないため、その分詰め込んだ仕様に。ANAの方が1人当たりのスペースが広いです。
横から(降機時に撮影)。一昔前ならファーストクラスと言っても騙せてしまうかもしれません。
着席時の視点。隣席の人の姿はほとんど見えません。他人の顔は完全に視界に入らないため気を使う事はなかったです。JALのSS7は隣席との間は板1枚隔てているだけなので、人との距離の近さが少々気になります。
現代社会を生きる方々必須の電源も装備。USB・iPod・PC電源の3種。
文句なしの足元広さ、少々控えめな座席幅
ビジネスクラスということもあり、足元の広さは文句なし。
座席幅は少々控えめ。エコノミークラスよりも若干広い程度で、一昔のようなゆったり感はありません。
その代わりに、プライバシーに配慮した空間に仕上がっています。個人的には広さよりもプライバシー重視なので、全然問題ありませんでしたが。
文句なしの足元広さ。長距離国際線でも窮屈に感じることはないかと。逆に、国内線では贅沢すぎます。
足元を上から。少し足を伸ばすと前方の段差に足先が接触します。離着陸時だけの辛抱。
座り心地レビュー
背もたれのホールド感低め、シート幅はエコノミークラスと同等、足元広さは文句なし、隣席の客の顔が見えないためプライベート感高め。
座席の柔らかさ
★★★☆☆
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国際線を模擬体験できる1時間のフライト
伊丹から成田までは1時間20分のフライト。
正直、機内装備すべてを満喫するには物足りなかったです。
是非とも、高いお金を出してでも国際線で体験していただきたい...
大画面のエンタメコンテンツ
17インチの大画面モニター。
コンテンツも色々と収録されていました。
17インチの個人モニター。様々なコンテンツが収録されていました。タッチパネル式ですが、画面まで遠いので腕を伸ばさないと届かなかったです。コントローラーで十分操作可能。
17インチモニターで楽しむフライトマップ。解像度・発色ともに問題なし。
各種操作系統。コントローラーは少々時代を感じさせます。裏面はキーボードとゲーム用のボタン。
最近はコントローラーを装備せず、操作がタッチパネルだけの座席も多いです。タッチパネルは腕が疲れるので、コントローラーは大変ありがたいです。ゲームも捗ります。
心地よいGE90-115Bのエンジン音
世界最大出力を誇るGE90-115B。
今回は翼の上の位置でエンジンから距離がありましたが、オーケストラのような心地よい音が聞こえてきました。
まぁ、本当にエンジン音を楽しむのであれば、エンジン前席または真横席をおすすめします。
曇り空の伊丹空港を離陸。翼の上なので景色はいまいちですが、エンジン音は満喫できました。
B777XのGE9Xエンジンはさらに大型化します。一体どんな音色がするのでしょうか。是非ともANAさんには間合い運用で伊丹に乗り入れて欲しいものです。可能か不可能か知りませんが(笑)。少なくとも、昔のジャンボよりは静かなはずです。
フルフラット体験
今回のフライトのサビとも言えるフルフラット体験。
やはり、機内で真横になる体験は、エコノミークラス愛好家の筆者にとって良い意味の違和感がありました。
確かに、これは楽です。
フルフラット状態。座席幅が広くないため、満足に寝返りを打つことは難しいかもしれません。
展開時間の実測値は以下
・通常状態 → フルフラット状態:約32秒
・フルフラット状態 → 通常状態:約27秒
フルフラット状態の様子。かなり楽です。よく寝れそうです。しかし、身長方向の長さに余裕がないため、身長180cm以上の人は足先が窮屈に感じるかもしれません。足先が接触します。
先述した通り、座席幅は少々控えめです。
足先の様子。身長方向の余裕はありません(身長170cm後半)。オットマンの下部は荷物入れとして利用することができます。
フルフラット状態の視線。当たり前ですが、天井が見えました。飛行機で真横になる体験は何度経験しても違和感しかないです(笑)。
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忙しい水平飛行
フライト時間は1時間20分ですが、実際の水平飛行は1時間もなかった気がします。
サービスは国内線と同様のドリンクサービスが実施されました。
フルフラット体験や機窓撮影、ドリンクサービスなど、何かと忙しかったです。
ビーフコンソメをいただきました。従来より約150%拡大したテーブル。ドリンク1杯が寂しく映りました。
サイドテーブル。ちょっとした小物置きとして重宝しました。JALのSS7には未装備の設備。ここに関してはANAに軍配が上がります。
広大な面積の主翼と巨大なGE90。景色はいまいちですが、飛行機を飛ばすための中枢機関を間近で眺めることができる、勝ち席でもあります。
あぁ、翼の上でお昼寝したい...
翼端のレイクドウイングチップとずらーっと並ぶ翼面のボルテックスジェネレーター。まさに、流体力学の極み。
ボルテックスジェネレーターは意図的に乱流を発生させることで、空力特性を向上させる効果があるとか。最近では自動車の車体後部(テールライト付近)にも突起がありますね。それと同じ効果です。
ボルテックスジェネレーターについて、詳細にまとめられている素晴らしいサイトです↓↓
ボーイング機の翼にあって,でも同じボーイング機のB747の翼に無いもの!(JA8094's 航空機 Diary)
機内の様子。成田から海外への乗継客がほとんどのため、外国人の姿も確認できました。ちょっとしたネットカフェですね。
搭乗機はワシントンD.C.へ
あっと言う間の水平飛行も終わり。成田のB滑走路へ着陸しました。
定刻にて到着。正直、物足りなかったです。
逆噴射。腐食防止のプライマー?の黄緑色が確認できました。内部は格子状なんですね。
定刻にてスポットイン。隣にはB6のWL装備機。まさか数年後、国際線が大幅に減便になろうとは、この時点で誰が想像できたでしょうか。
スタアラ塗装機との別れ。スタアラ塗装ですが、機内は特に他機との差異はなかったです。本機はこの後、ワシントンD.C.に向けて飛び立ちました。飛行機ってよく活躍しますなぁ。
まとめ
そんな訳で、ANAのビジネスクラスで伊丹から東京・成田までフライトしました。
スタアラ塗装のB777-300ER。機齢から早期退役候補になることはほぼ確実かと思われます。
そして初めてのスタッガード体験。SS7よりも高いプライベート空間を持った座席は、確かに快適でした。座席幅とフルフラット時の身長方向のスペースの余裕のなさが気になりました。それ以外はGood。
正直、国内線だけでは物足りません。国際線でその実力を体験したいと思います。
評価
機内食
★★★★☆(ビーフコンソメは安定の美味しさ)
シート
★★★★☆(文句なしの足元広さ。座席幅は普通。プライバシーに考慮した空間がGood)
機材コンディション
★★★★★(機齢13年。中年機材だがメンテナンスは行き届いていた)
機内スタッフ
★★★★☆(短時間のフライトだったが親切丁寧なサービス)
エンターテイメント
★★★★☆(機内誌・個人モニターなど。機窓は翼の上なのでいまいち)
時間の正確さ
★★★★★(定刻)
総評
★★★★☆