まったり空の旅

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JAL 搭乗レビュー

【搭乗記】HACの北欧生まれのSAAB340B-WTで函館から札幌丘珠へ

投稿日:2021年2月7日 更新日:

 

スウェーデンが生み出した、北欧の翼・SAAB340B。

サーブと言えば、自動車のイメージが強い人が多いと思います(自動車部門のサーブ・オートモービル)。ミリタリーならJAS 39 グリペンをご存じな方も多いはず。あのデザイン、確かにカッコいいです。

そんな訳で今回は、北海道エアシステムのSAAB340B-WTの搭乗記退役間近のサーブで函館から札幌・丘珠までフライトしました

 

八幡坂からの景色
函館・八幡坂から。北海道ならではの曇り空。奥には青函連絡船記念館の摩周丸。「やはたざか」ではなく、「はちまんざか」って読むんですね。

 

搭乗DATA
航空会社:北海道エアシステム (HAC)
搭乗日:2018/12
路線:函館
⇒札幌・丘珠
飛行時間:0
時間40分 (発13:30⇒着14:10)
便名:JL2746
座席:10A エコノミー・窓側席
機材:SAAB340B-WT (JA01HC) 機齢20年10ヵ月 

 

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ジャンボ機のエンジン部品を使った人形

午前中の市内観光を終え、出発地の函館空港へ。

空港はなかなか綺麗。人の数はまばら。

JALのB747の廃エンジン部品を使用した、オーケストラ人形が展示されていました。

 

函館空港の搭乗手続きカウンター
木目調の壁が温もりを感じさせる空港内部。なかなか綺麗。

 

JALのジャンボ機の廃エンジン部品を使用して作られた「天使のオーケストラ」。ステージはタービンディスク、胴体はタービンブレード(燃焼機直後の高圧部??)、頭部はベアリングで出来ています。やはり、社員さんもジャンボ機に対する思いが強いんですね。

 

北欧生まれの36席のコンパクトな機体

スウェーデンのサーブとアメリカのフェアチャイルドが共同開発した本機。

1985年にフェアチャイルドが撤退したため、名称もSF340から340に変更されました。

HACは合計3機を導入。機齢が経済寿命の20年に近いため、2021年度に完全退役予定。後継機はJACでも運航中のATR42-600です。

HACの機体はSAAB340B-WT。JACでもSAAB340Bを運航していましたが、HACのものは翼端をそれぞれ0.6m延長して失速速度を低下させた改良型。機体名はのWTは「Wing Tip」の略です。

 

北海道エアシステムのSAAB340B-WT型機
今回の搭乗機はSAAB340B-WT(JA01HC)。機齢20年。本機はスウェーデン→ギリシャ→ヨルダン→アラブ首長国連邦→インド→タイ→台湾→日本のルートで1998年にデリバリーされました。JALグループ最小の機体。

 

徒歩での搭乗時の様子
徒歩にて搭乗。飛行機に乗るぞ!感がある、この搭乗方法もプロペラ機の醍醐味。

 

SAAB340B-WTのCT7-9Bエンジン
エンジンはGEのCT7-9B。WT型ではプロペラブレーキ機能を装備します。

 

内蔵タラップ
内蔵タラップにて機内へ。ステップ幅は普通。両サイドに手すりがあったので安定感がありました。空港設備が十分でない地方空港必須のアイテム。

 

1人掛けの座席が独特な機内配席

全席普通席の36席仕様のSAAB340B-WT。

1-2の3列タイプ。ジェット機では体験しにくい1人掛け席があります。(E190のクラスJも1-2配席ですが)

座席を従来の布製から革製へリニューアルしたため、機齢20年と言えどもボロさは皆無でした。

 

HACのSAAB340B-WTの座席表
今回の座席は後方窓側の10A(引用:JAL HP)。全席普通席の36席仕様でCAさんは1人で乗務。1人掛け席があるため、ボッチの利用客にも優しいですね。

最後部は3人掛け。窓なしなので注意が必要です。

 

前から見た座席
今回の座席10A。革製にリニューアルされた新しい座席。JAL SKY NEXTの成分が感じられました。座席と通路に1段の段差があり、通路の高さ方向にゆとりをもたせています。

 

横から見た座席
横から。窓1つ分スペース。座席間隔は普通。スリムなシートで足元間隔に余裕を持たせています。

 

後ろから見た座席
後方から。シートポケットは上部のみ。足元のひざ部分がすっきりしています。1人掛けの座席はプライベート感があって良かったです。

JALグループの1人掛け座席を有する機体といえばE190があります。クラスJのみ1-2配置のため、SAABと同じ体験が可能。しかし、1人席の席数は5席だけなので競争倍率は高いです。

 

握り拳1個分の足元広さ

足元広さは握り拳1個分。JALのジェット機と同様の広さ。

シートピッチは約31インチ程度でしょうか。機体はコンパクトですが、足元は大型機に負けません。

 

HACの座席の足元の様子
ジェット機と同等の足元広さ。機内はコンパクトですが、足元に関する快適さは変わりませんでした。窮屈感ゼロ。

 

握り拳1個分の座席の足元広さ
握り拳1個分の足元広さ。シートピッチは約31インチでしょうか。小上がりのように、通路に対して1段座席位置が高くなっているので、通路に出る際は段差に注意する必要があります。

座り心地レビュー

背もたれのホールド感低め・板な感じ、シート幅は普通、握り拳1個分の足元広さ、全体的に少々固め。

座席の柔らかさ
★★☆☆☆

 

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飛行機の真の乗り心地を一番体験できる機体

筆者おすすめなサーブ。

様々な機種に搭乗してきましたが、SAAB340が最も「飛行機に乗ってる」体験ができるかと思います。

強めの加減速時のG、風の影響を受けてリニアに揺れる機体、操舵に対する動作の反応の良さ、賑やかなエンジン・風切り音。「あぁ、これこそが飛行機に乗るということなんだ」感を全身を通して感じることができます。

ジェット機が跋扈する今日ですが、是非ともフライトしていただきたい1機です。

 

SAABの機内の様子
機内の様子。1-2配置のコンパクトな機内。前席には飛行機に興味のない同行者。揺れはジェット機よりも大きい機体(筆者感)ですが、同行者からは「揺れが怖い」といった感想はなかったです。

 

騒音抑制装置付きの客室

プロペラ機といえども、機内装備はジェット機と変わりありません。

各種サイン灯・個別空調・読書灯・CAさん呼び出しボタン。

さらに、騒音抑制装置が装備されています。こちらは、機内各所に設置された集音マイクから騒音データを集め、デジタル信号処理された逆位相の音を機内スピーカーから発生させて騒音を低減させる機能。

先進的な機能が装備されていますが、正直なところ、騒音はそこそこ高かったです。マニア的には賑やかなサウンドを奏でてくれる機体は大歓迎ですが(笑)

まぁ、同行者は眠りに落ちていたので、気にならないレベルなのかもしれませんが。

 

シートベルトサイン類や個別空調
客室装備一覧。ジェット機と同等の装備あり。1個だけの個別空調がかわいい。

 

壁に設置された機内の集音マイク
機内の集音マイクと思われる穴。Q400でも同じような穴が機内に存在します。騒音抑制装置を構成する重要な機能の1つ。

 

JALとHACのコラボ

JALグループに属する北海道エアシステム。

機内誌はSKYWARDの他に、HACオリジナルの機内誌も。

JAL成分とHAC成分が混在していました。

 

シートポケットの機内誌
シートポケット内容物一覧。JALの機内誌SKYWARDとは別に、HACの機内誌もありました。

 

SAAB340Bの安全のしおり
SAAB340Bの安全のしおり。機体部にはHACの文字が。HAC仕様のようです。

 

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心地よい乗り心地

エンジンのブーン音と足先から伝わる細かな振動を感じながら、函館空港を定刻にて離陸。

離陸時の強いGの加速感、木の葉に乗っているかのような乗り心地。まさに、飛行機の原点を感じるかのような本当に素晴らしいフライトでした。

終始曇り空だったため景色は壊滅的。しかし、離着陸時の低高度の時だけ、函館の街並みと手稲の海を眺めることができました。

 

上空から見た函館の景色
離陸時の函館山と函館市街地の様子。強い加速時のGと木の葉のような乗り心地が心地よかったです。

 

水平飛行時の機内の様子
23名の乗客(搭乗率64%)。客室内の高さは低く、身長180cm以上の人は天井に頭が接触します。飛行機というよりも、大型バスに乗っているかのようなイメージでした。

 

機内から見た上空の景色
気流の乱れがあったものの、風の流れに無理に逆らうことないSAABの乗り心地のおかげで、不安に感じることはなかったです。これぞ、飛行機というもの。どんよりとした空と雪山を眺めながら降下開始。

 

あっという間に札幌へ

離陸から着陸までは約30分。あっという間のフライトでした。

函館から札幌まで、特急列車は3時間45分程度なので、1時間以内に移動できる飛行機はやはり素晴らしいです(空港への移動・搭乗手続きの手間の多さは負けますが)。

 

銭函沖の景色
銭函沖へ。眼下にはおたるドリームビーチが見えました。また海水浴したいですね。

 

着陸前の景色
ギアダウン。函館よりも雪が積もった札幌へ。

 

丘珠空港に到着した正面から見た搭乗機
定刻にて札幌・丘珠空港に到着。徒歩にてターミナルビルへ。パイロットさんが手を振ってくれました。1.2m翼幅を延長したWT型、確かにJACのSAABよりも翼幅が広いような。

 

 

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まとめ

そんな訳で、HACのSAAB340B-WTで函館から札幌・丘珠までフライトしました。

筆者おすすめのSAABでのフライト。

数ある機種の中で一番、飛行機の真の乗り心地が体験ができる機体だと思います。

揺れ・音・振動・動き。飛行機の原点とは何か、再確認させてくれました。

退役間近なSAAB。是非とも最後まで頑張ってもらいたいです。

 

評価

機内食
------------(なし)

シート
★★★★☆(握り拳1個分の足元広さ。座り心地はまぁまぁ。1人掛け座席はレアなので加点)

機材コンディション
★★★★☆(機齢20年。ベテラン機だがメンテナンスは行き届いていた。リニューアルした座席もGOOD)

機内スタッフ
★★★★★(1名乗務だったがテキパキとサービスしていた)

エンターテイメント
★★★☆☆(機内誌のみ。プロペラ機独特の機窓は良い)

時間の正確さ
★★★★★(定刻)

総評
★★★★

 

おまけ
お皿に並んだズワイガニ・タラバガニ・毛ガニ
札幌・えびかに合戦にて蟹食べ放題。タラバ・ズワイ・毛ガニ。個人的にズワイが特に美味しかったです。手がシワシワになるほど食べまくりました。

 

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