航空自衛隊の保有する国産のC-2輸送機。
先輩のC-1よりも搭載量が多く、航続距離も長くなった本機種。輸送戦力が大幅に向上しました。
そんな訳で今回は、航空自衛隊のC-2輸送機の座席の広さ・快適さを検証しました。
飛行中のC-2輸送機。C-1輸送機の約4倍の航続距離と約3倍の積載重量となり、有事の他に国際派遣での活躍が見込まれます。航続距離は20tの貨物搭載時に約7600km。日本からモスクワ辺りまで飛べます。
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最大110人のキャパシティ
収容人数は最大110名。
1-1-1-1の4列単独配置。
お互い向かい合わせの座席のため、プライベート感はありません。
C-2輸送機に最大人数を積載した場合の座席配置(引用:防衛省 防衛装備庁公式チャンネル)。4列配置の110席仕様。収容人数に応じて中央席は取り付け外しが可能。窓側席はありません。というか、窓がほとんどありません。
C-2輸送機の外観。2発のCF6-80C2K1Fエンジンを装備。C-1では高燃費なJT8Dを装備していたため、時代の進化を感じます。P-1哨戒機とも設計の一部が共通化されており、コスト削減が実現しています。
後方から。大型の後部ランプドアからは人の他に大型車両も搬入が可能。この大きなサイズ感ですが不整地着陸もできます。
C-2の貨物室内。両サイドには折りたたみ式の青色座席が並びます。床はフラットで貨物の積載も容易。天井も高く、ヘリコプターや16式機動戦闘車の搭載も可能です。
高い機内の天井。貨物の積載量も大幅に増加しています。クリーム色の内装と暖色系の照明色で、全体的に温かみのある機内に。
機内の電光掲示板。隊員の降下指示など、様々な情報を発信することができます。この際は「美ら島エアーフェスタ2019」の案内が流れていました。
ホールド感は抜群の簡易的な座席
4点式シートベルトのおかげでホールド感は抜群。
万が一の揺れでも着座姿勢が崩れることがありません。
なお、座席幅は普通。隣席とのパーテーションもないため、プライベート感は皆無。
1列に並んだ座席。青色が爽やか系。生地は化学繊維。胴体と腰を固定する4点式シートベルトのおかげで、大きな揺れでも身体が放り出される心配がありません。なお、シートベルト装着時の圧迫感は否めません。隣席との距離が近く、ひじ掛けもないためプライベート感は皆無です。気持ち程度にヘッドレストがあります。
これで数時間は少々キツイ気がしますが...軍用機なので快適性は二の次です。
文句なしの足元の広さ。足元の広さだけ評価するとファーストクラス級。床面がフラット&滑り止めが所々施されているため、滑る心配はないと思われます。なお、隣席の座席との距離は非常に近いです。また、機体中央部に座席を増設した場合には、向かい側にも人が着席することになるため圧迫感が増すと思われます。
座り心地レビュー
キャンプ用品の折りたたみ式の椅子に似た座り心地。化学繊維の固めの触り心地。4点式のシートベルトのおかげでホールド感は抜群。クッションはなし。隣席との距離が近い。足元広さは文句なしだが、機内中央部に追加の座席を設置した場合にはお見合いスタイルで着席することになるため圧迫感がある。
座席の柔らかさ
★☆☆☆☆
シートベルト装着時の様子。左右上下に大きく動くことができません。輸送機という性質上、大きな揺れでも放り出されないホールド感が要求されているのでしょう。これなら安心です。
C-1輸送機との比較
最後に、先輩のC-1輸送機と比較。
やはり、機内は狭め。また、所々で機体設計の古さを感じます。
ここでは、C-1輸送機の試作1号機であるC-1FTBの座席について紹介します。
離陸するC-1輸送機の試作1号機。C-1FTB。コンパクトなサイズ感が当時の日本の情勢を物語っています。また、JT8Dの細長いエンジンが素晴らしいです。後輩のC-2に座を譲ります。
C-1輸送機(C-1FTB)の機内。C-2と比較して大変コンパクトな機内。車両を載せるので精一杯。天井も低く、C-2のようにヘリや戦闘装甲車両の搭載はできません。全体的にグレーの無機質な機内の雰囲気。
C-2よりもクッション感がわずかに高いC-1の座席。非常に簡素。画像左側のように折りたたみも可能。シートベルトの点数に関しては未確認。ここでは腰部だけが確認できました。
足元の広さ。反対側座席との距離がC-2よりも近いです。座り心地はこちらの方が若干好み。床のフラット構造、滑り止めの配置に関しては同様です。
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まとめ
そんな訳で、C-2輸送機の座席の広さ・快適さを検証しました。
「THE・輸送機」といった感じの座り心地でした。
軍用機である以上、座り心地に関しては民間機に及びません。
しかし、複数点式のシートベルトや耐久性に優れた座席生地など、実用性重視の座席設計であることを感じさせてくれました。
自衛隊に入隊・体験搭乗・航空祭・海外救出ぐらいしか着席機会はないと思いますが...悪くないです。