2015年5月にデビューしたトヨタ紡織の普通席。
トヨタ紡織にとっては初の航空機向け座席。
最近、B777-200ER・B787-8にも装備されるようになりました。
そんな訳で今回は、トヨタ紡織の普通席を装備したB767の搭乗記。
リニューアルした普通席で羽田から岡山までフライトしました。
早朝の羽田空港。冬の空気は冷たい。
闇夜と夜明けの境目を眺めることができた。
搭乗DATA
航空会社:ANA
搭乗日:2017/12
路線:羽田⇒岡山
飛行時間:1時間20分 (発7:20⇒着8:40)
便名:NH651
座席:34K 普通席・窓側席
機材:B767-300ER (JA8971) 機齢20年9ヵ月
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目次
絶滅危惧種な数字4桁レジ機
今回の搭乗機はB767-300ER。機体番号はJA8971。
今では貴重になった4桁数字のレジ。
機体番号が4桁数字のB767-300ERは、ANAでは本機だけになってしまった。
1997年に導入された本機。
国内線の他に、国際線チャーター用としても活躍していた。
ANAの中では退役間近な注目の1機。
今回の搭乗機、B767-300ER(JA8971)。1997年登録。
ANAのB767の中で唯一、オリジナルスタイルのレトロな機内で運航する。
B767マニアの注目の1機。
トヨタ紡織と共同開発した普通席
トヨタ紡織にとって初の航空機向け座席となった本座席。
トヨタ紡織は自動車向け内装品製造の大手。
自動車用座席はもちろんのこと、E7・W7系のグランクラスの座席も開発した。
B767への搭載が初となった本座席。最近は新設計タイプをB777・B787にも装備中。
ZodiacやRECAROなど、海外メーカに推されがちな航空機の座席界隈。
今後の発展に期待したいところ。
今回の座席は後方窓側の34K。(出典:ANA HP)
指定理由は学生時代の出席番号が34だったため。どうでもいい。
プレミアムクラスの10席・普通席260席の計270席仕様。
国内線の座席レイアウトはANAが1種。一方でJALは3種。(国際線機材の間合い運用を除く)
B767マニアの方はJALの機内も探究してみてはいかがでしょうか。
今回の座席34K。トヨタ紡織とANAが共同開発した新型座席。
全体的に丸みを帯びたデザインに仕上がっている。
テーマは「見てやさしい、触れてやさしい」座席。
丸みを帯びさせることで着席した際の視界を広げ、開放感を創出するとか。
横から。窓の位置はベスト。
誰でも快適に着席できるよう、座面は他社製よりも低めに設計されている。
確かに、座面の低さは言われずとも身を持って感じることができた。
女性や子供、高齢者など、どんな体格の人でも快適に着席できそうです。
後方から。座席上部の角は落とされ、丸みを帯びている。
攻撃的ではない、優しいデザイン。
ちなみに、こちらは旧座席(B767-300/JA8324)。
灰色の落ち着いた配色。座り心地は普通。
シートポケットが上部にあるため足元スペースが広かった。
テーブルのつまみ上部にはトヨタ紡織のマーク「TB」。
トヨタ紡織初の航空機向けシート。意外と悪くない!!
オーディオ操作盤類。ひじ掛けのプラスチック感は否めない。
操作盤の設計は旧型座席と同様。少々レトロ感あり。
テーブルは丸みを帯びたデザイン。
厚みがあり安定感も問題なかった。
最近の薄型テーブルも悪くないんですけどね...
若干ガタガタするのが嫌なんです。
握り拳1個分の足元広さ
さすがFSCのANA。足元広さは握り拳1個分だった。
足元広さは他社大手と同様。
1~3時間の国内線でも、苦痛に感じることはないだろう。
足元の広さ。握り拳1個分の広さ。シートピッチは約31インチ。
下部シートポケット設計の欠点は、物を入れ過ぎると膨らんでしまうことだろうか。
座り心地レビュー
ANAカラーの布の座席。背もたれ左右のホールド感あり。座面は低め。座席幅・柔らかさは普通でちょうどいい。
座席の柔らかさ
★★★☆☆
B767オリジナルスタイルのレトロな機内
B767オリジナル・初期スタイルの機内。
角ばった荷物棚・四角い窓枠・壁の模様・黄色のギャレー・シートベルトサインなど。
1997年登録の本機。
丸みを帯びた荷物棚や窓枠など、近代化改修されることなく活躍中。
オリジナルスタイルのB767-300ERはANAではJA8971の1機のみ。
運が良ければこの懐かしさ感じる機材に搭乗することができる。
やはり、レトロな機材ってイイネ!!
まずは角ばった窓枠。B737クラシックに通じるものがある。
機齢が若い機材は窓枠も丸みを帯びたものに設計変更されている。
壁の水玉模様。このような派手!?な模様は最近の機材では見かけることが少ない。
ある意味レア。
クラシックな内装といえば、この角ばった荷物棚。
棚のふただけが可動する設計。収納力はまぁまぁ。
トイレ内部の銀のシンク。これもレトロ。
あと、画面中央のオレンジのボタンには「スチュワーデス呼び出し」の表記が。
"スチュワーデス"って響きが懐かしい。スチュワーデス物語...
黄色の壁色のギャレー。この色合いも今やレアになってしまった。
個人的に好きな色あい。青の毛布と壁の黄色のコントラストがGOOD!!
シートベルトと禁煙サイン。サイン周囲の角ばった感じがレトロ。
オレンジと赤のランプの色がやさしい。
画面は改装されているが、注目はその隣の壁デザイン。
白色の市松文様デザインはB747-400D等でも採用されていた。
緑色にすれば鬼滅の刃の例のキャラ仕様になりそうだ(笑)
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冬の透き通った景色を眺めながら岡山へ
いざ、冬の透き通った大空へ。
天気も快晴だったため、遠くの景色まで堪能することができた。
D滑走路へ向かう機体の数々。
望遠レンズで撮影したらいい絵になりそう。
7:38、D滑走路から離陸。右手には都内のビル群が見えた。
こうして見ると、東京もちっぽけな街だなぁ。
左が米軍横田基地、右が陸上自衛隊立川駐屯地。
意外と距離が近い。
雪に覆われた冬の南アルプス。登山してみたい。
左手の平地は伊那盆地。長野県歌の「四つの平」のひとつ。
ここで、長野県民あるあるを一部ご紹介します。
①長野県民はほぼ全員長野県歌の「信濃の国」が歌える
②自分の家の標高を知っている
是非、長野県出身の人に出会った際はお試しください。
by 長野県民の筆者より。
ドリンクサービス。いつものコンソメスープを注文。
コンソメ感がしっかりしていてGood!!温かさもちょうど良かった。
安全のしおり。B767も今後、レアになりそうな予感。
B767-300は全機退役してしまったこともあり、今後の動きから目が離せない。
機内の様子。搭乗率は50%程度だった。
角ばった荷物棚、暖色系の蛍光灯の照明など、レトロさが伝わる機内。
あとは2-3-2の座席配置。
窓側・通路側席率の高い本機の配席は好評らしい。特にビジネスマン。
個人的に、ボッチで搭乗する際もB767の配席は好きです。圧迫感がないので。
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ブロッケン現象とともに
1時間20分のフライトもいよいよ大詰め。
ドリンクを満喫していると降下開始。
降下の途中でブロッケン現象を眺めることができた。
やはり、機窓もエンタメの1種である。
雲へのダイブ中に見えたブロッケン現象。
レアな現象に思われがちだが、意外と遭遇率は高い。
個人的に3回に1回は遭遇する。
初の岡山空港。こんなに山奥だとは...
角ばった翼設計がレトロ感があって良い!!!
降機の際に機内撮影をさせていただいた。
2-3-2の配席。程よいサイズ感のB767は地方路線の最適解かもしれない。
後継機のB797??に是非ともB767のDNAを引き継いでいただきたい。
ボーイングさん、お願いします。
桃から生まれた桃太郎がお出迎え。桃を拾う前からパッカンしていた。
かわいい。
展望デッキにて搭乗機をお見送り。
B767-300ER唯一の4桁数字レジ機にして、オリジナルスタイルの内装装備機。
そろそろ退役の足音聞こえる本機。最後までご安全に!!
岡山駅前にて。クリスマスが近いこともあり、イルミネーションがされていた。
今年はミラーボールが設置されたなんて話も。
このダサカッコよさ、好きだ。
まとめ
そんな訳で、トヨタ紡織の普通席を装備したB767-300ERで羽田から岡山までフライトしました。
トヨタ紡織初の航空機向けシート。意外と座り心地は良かったです。
低い座面、ちょうど良い柔らかさなど、日本人向けにカスタマイズされた座席といった所でしょうか。
B777-200ER、B787-8にも同社の新型座席が装備されるため、そちらも期待できそうです。
あとは機内のレトロ感。
最新鋭機材が跋扈する今日において、逆に本機はレア。
4桁数字レジですらレアになりつつある今日この頃。
ベテラン機材の、少々古さを感じるフライトも大切にしていきたいですね。
B767っていいなぁ。
評価
機内食
★★★☆☆(安定の美味しさのコンソメスープ)
シート
★★★★☆(拳1個分の足元広さ。柔らかさ・ホールド感はちょうど良い。座り心地GOOD)
機材コンディション
★★★★☆(機齢20年。ベテラン機だがメンテナンスは問題なし)
機内スタッフ
★★★★☆(親切・テキパキ・丁寧なサービスだった)
エンターテイメント
★★★☆☆(機内誌・オーディオ)
時間の正確さ
★★★★★(定刻)
総評
★★★★☆
おまけ
羽田空港出発時に撮影。Vスポットに駐機中。
セネガル政府のA319(6V-ONE)。元フランス空軍機。
制限区域内だが、ここからレア機を狙うのも悪くないかもしれない。